クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2024/3/21 フランス国立管

コンサート会場に向かうにあたり、余裕を見込んで30分前に到着する算段でホテルを出発したのだが、地下鉄メトロの乗換駅で事故が発生したらしく、電車が止まっていた。
緊急事態発生、急遽迂回することに。

パリはメトロが市内を網の目のように張り巡らせており、一つの路線で事故が発生しても、いくらでも代替経路はある。
ただし、最適案を見つけるのは、やはり経験や慣れが必要だ。こちとら観光客だからね。路線図を見ながら「えーーと・・」なんてやっているうちに、時間はどんどんと過ぎる。
文明の利器スマホも活用しながら何とか迂回ルートを探し出し、最寄り駅ではない少し離れた駅から小走りで劇場に向かって、到着したのは7分前。ふうぅー。汗が滲み出た。
それにしても、Googleマップは偉大。


2024年3月21日   フランス国立管弦楽団   シャンゼリゼ劇場
指揮  クリスティアン・マチェラル
合唱  フランス放送合唱団
ベルリオーズ  ファウストの劫罰(コンサート形式上演)
ジョン・アーヴィン(ファウスト)、ステファニー・ドゥストラック(マルグリート)、パウル・ゲイ(メフィストフェレス)、フレデリック・カトン(ブランデル)

 

フランス国立管のコンサートを、私はこれまでに1回しか聴いたことがない。
(※シャンゼリゼ劇場主催のオペラ上演で、ピットに入った演奏を含めれば、2回となる)
日本に来日したことはあるが、ほんの僅か。フランスのオーケストラの代名詞のようなパリ管の回数とは比べものにならず、そのせいか知名度がやや乏しいかもしれないが、実力は折り紙付きの名門だ。

今回そのフランス国立管を、現地パリで、しかもお国物ベルリオーズの演奏を聴けるというのは、とても良い機会、ラッキーだ。


指揮のマチェラルは、このオケの音楽監督ルーマニア出身だがアメリカで研鑽を積み、現在ドイツ・ケルンのWDR交響楽団の首席も兼ねる。彼の指揮による演奏を聴くのは、初めて。これまで日本に来たことがあるのだろうか。

指揮姿はなかなか勇壮で、指揮官らしい雰囲気が漂う。音楽については、「的確」という言葉を贈呈したい。オーケストラから引き出される音とタクトが一体化していて、完璧なリハ作業が見て取れた。さすが音楽監督

マルグリート役のS・ドゥストラック、なんとまあ一昨日のコミック座公演「スペインの時」に出演し、聴いたばかり。またもやの鑑賞ということで、びっくりだ。
まったく異なる二役だが、マルグリートでも安定感がいささかも削がれることがない。

メフィストフェレス役のP・ゲイが、見事な歌唱でお客さんを魅了。一方、ファウスト役のJ・アーヴィンはひ弱な印象。


シャンゼリゼ劇場はパリにおけるクラシック音楽の檜舞台の一つだが、さすがにちょっと古い。音響だって、それほどでもない。
パリには美しい音響を誇る現代的なホール「フィラルモニ・ドゥ・パリ」(パリ管の本拠地)があるが、にも関わらず、フランスのオーケストラだけでなく、ウィーン・フィルベルリン・フィルなどの外来オケがパリで客演コンサートを行う時は、ここが多い。
やはり、伝統と格式がモノを言っているということか。