クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

海外公演のチケット申込み

本場ヨーロッパなど、海外に出向いてオペラやコンサートを鑑賞する旅行を実践している私のような人間にとって、チケット確保は最重要課題と言っていい。旅の目的がそれなのだから、当然だ。日程や行き先を左右する肝心事項。ぶっちゃけ、飛行機やホテルの選択・確保よりも重要な問題である。

そのチケットの発売方法は、劇場や主催団体によってまちまち。
どこの劇場も、定期会員やセット券・チクルス券のような制度を設けており、発売の第一優先はそうしたカテゴリーになる。しかし、これらは現地の愛好家向けのようなものであり、日程が限定される外からの旅行者にとっては、あまり関係がないだろう。あくまでも、一般発売というのがターゲットになる。

特定の一斉発売日があって、そこから先着順で売り出していくというのが一般的だが、中にはバイエルン州立歌劇場のように、一斉発売の前に抽選申込の受付を設けるところもある。(ウィーン国立歌劇場は、純粋な抽選ではないが、事前予約制度がある。)

更には、年間シーズンのラインナップ演目をすべて一斉に売り出すところもあれば、演目ごと、あるいは公演の期間・期別ごとに発売日を設定するところもある。
なので、自分が行きたい観たい劇場がチケットをどのように売るかについては、しっかりとリサーチをしておく必要がありそうだ。

もっとも、全般的に言えば、プレミエ(新演出上演の初日)や豪華なキャストが出演する特別な公演でもない限り、チケットの確保はそれほど難しいものではない。仮に一斉発売日を逃したとか、随分と時間が経ってから旅行が決まったとか、そういう場合でも、慌てなくてもチケットが残っている可能性は十分ある。過度に焦ったり、神経質になったりする必要はない。
それでも、早くから着々と計画を立てて確実に押さえておきたい場合や、上記のような特別公演を狙いたい場合は、やはり発売日の当日を狙うのが賢明だろう。


実は昨日の1月10日(水)、3月に旅行を計画していたミラノ・スカラ座公演の一斉発売があった。公演はロッシーニの「ギヨーム・テル」(新演出 M・マリオッティ指揮、K・ムーティ演出)で、自分が行こうとしているのは、いわゆるプレミエとなるチクルスの初日。

ミラノ・スカラ座の場合、予めシーズンカレンダーの中に、演目ごとの発売日と時間を設定し、公表している。
これまでの自分の経験上からすると、近年のスカラ座のチケット確保は、実はそれほど難しくない。(ムーティ音楽監督だった時代は、結構難しかった。)なので、ある程度楽観はしていたが、やはりプレミエということもあり、油断をせず、発売初日の売出し開始時刻と同時の申込みを狙った。発売開始は現地時間の午前10時、日本時間の午後6時。

日本だと、一斉発売日の発売開始時刻は、例えば午前10時からだったら、午前10時00分00秒とぴったり同時。恐ろしいくらいドンピシャによーいどんで発売される。ウィーン・フィルベルリン・フィルといった人気公演のチケットを取る際には、電波時計の秒針とにらめっこし、ジャストにウェブ上をクリック。そのドキドキのスリリングさといったら! 

翻って、イタリア。
まあ、日本と違ってイタリアなんだから、ジャストということは無いと分かっていつつ、それでも同時刻の日本時間の午後6時ぴったりにウェブに向かっていった。

で、だ。
申込受付開始画面に切り替わったの、いつだと思う??

午後6時53分(笑)。
あたしゃ、「もしかして、自分が発売日時を見間違えていたのか」と思い、何度も公式サイトで確認しちゃいましたよ。

ほんっっと、イタリアだよな~。クソだな。

結論を言いますと、チケットはきちんと押さえることが出来た。だから、問題はない。
だが、53分間もPCの前で、まだかまだかと座り往生を強いられた苛立ち感は、そう簡単に拭えなかった。


ちなみに、欧米の公演チケットは、近年ほとんどにおいて電子化されており、申し込んで支払いの決済が終わると、直ちにメールに添付されて送られてくる。(※ 選択によって、紙チケットの郵送もしくは劇場窓口受け取りとすることも出来る。)

Eチケットの場合、自宅でチケットをプリントアウトし、紙で持ち込むというのがパターンだが、最近は、打ち出さずにスマホに保管のまま、劇場で画面上のQRコードやバーコードを提示するというパターンも増えてきている。
劇場によってまだ対応が異なるので、私は今のところ、念のため紙で打ち出しの持参が多いが、いずれ完全にペーパーレスに移行していくことだろう。
この点に関しては、日本は随分と遅れている。