当然チケットは熾烈な争奪戦、ボヤボヤしているとあっという間に売り切れる・・・はずだった・・。
かつて、実際に本当にそうだった。アボナメントの会員先行予約で大多数が売り切れ、一般向けのチケット枚数は最初から僅少。発売日と発売時間をしっかりチェックし、運を天に託してワンクリックに魂込め、必死に申し込み、ゲット出来たら思わずガッツポーズ!そういうことをこれまでに何度も繰り返してきた。
今年の蝶々夫人。私が狙った公演日の一般向け発売枚数は、約800枚だった。
800枚・・・なんだそりゃ!? 会員先行予約の売上が全然伸びず、ほとんどが一般向けに放出されたということだ。
申込みは全然余裕。焦る必要まったく無し。風呂入ってウ●コしてから申し込んでもまだ余裕。発売日から一日経った本日でも、全日程売り切れ公演ゼロ・・・。チケット、余りまくりである。
分からないでもない。音楽監督シャイーが振るとはいえ、出演歌手に「この人が出るのか!?すごい!」といった驚きはない。チョウチョウサンはマリア・ホセ・シーリ、ピンカートンはブライアン・ハイメル。「なんだかなあ・・」なのである。
だが、実を言うと、昨年12月の開幕公演も、やはり楽勝でチケットが買えた。
ということはつまり、天下のスカラ座の神通力がもはや効かなくなってきたということか。
もうスカラ座は、イタリアオペラの総本山、殿堂でなくなっているのではあるまいか。
劇場の威光だけではない。
指揮者や歌手だってそうだ。
かつて綺羅星の如く名を刻んだ大物列伝。
彼ら彼女らは、もういない。
スカラ座よ、どこへ行く?
もうそろそろ、毎年の聖地巡礼も見直す時期に差し掛かっているのかもしれないが・・・とりあえず今何が起こっているのか、それは今冬、確かめてきたいと思う。