ピアニストの藤田真央さんが、昨日の1月12日、NHKの朝の情報番組「あさイチ」に生出演したとのことで、あとから同局の配信サービス「NHK+」で見逃し視聴した。
別に、彼自身について特段の関心があったわけではなく、単なるお茶の間バラエティ番組だということも十分承知の上だったが、まず真央くんの肉声を今まで一度も聞いたことがなかったというのと、音楽家として何か語ることがあるのならば、是非聞いてみたかった、というのが主な理由。
スタジオにニコニコしながら登場した真央くんは、演奏会のステージに出てくる時の佇まい、そのまんま。
かわいらしくて、シャイな感じで、話をしながら身体をちょこちょこ動かして、何だか小学生、あるいはペットの動物みたい(笑)。
世界的ピアニストの雰囲気、ゼロなんだけど~。
でも、そこがまたチャーミングで親しみやすくて、女性ファンの心をくすぐるというわけか。
興味深い話も幾つか聞けた。
「練習段階から設計図を作り、どういう音で、どういうニュアンスで、というものを、毎音、全部、常に意識しながらやっている。」
「演奏会のために海外に行っても、現地で観光に出掛けることはなく、ずっと練習ばかりしている。」
ほほう・・さすが!
面白い話も。
「スイスのヴェルビエ音楽祭からの出演オファーで、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲演奏を打診された際、その当時3曲くらいしか弾いたことがなかったが、『10曲くらいは弾いたことがあるから大丈夫』と嘘をついて、オーケー回答した。」
へぇー、やるじゃん。
やっぱ「降ってきたチャンスは、大胆に掴みにいかないと!」というわけだね。
本人は、「その後が地獄だった」と言っていたな。作品をモノにするのがいかに大変か、というエピソード。
とはいっても、やっぱり所詮はバラエティ番組。
聞き手としてトークに参加しているのが、司会の鈴木奈穂子NHKアナウンサーと、レギュラー出演の博多華丸・大吉の漫才コンビ、それに女優の菊地凛子。クラシック門外漢の彼らが、プロのピアニストからいったい何を聞き出せるというのか。
仕方がない、やむを得ないとはいえ、時々すべるトンチンカンなやりとりには、やれやれと頭を抱えてしまう。
番組に届けられた視聴者からのメッセージ「つい先日、私もみなとみらいで藤田さんと読響の演奏会を聴きました!」、これを司会の鈴木アナが『読響』部分を『どっきょう』と読み上げたのは、個人的に大ウケしたけどさ(笑)。
NHKには、本格的な話が出来る芸大大学院卒のクラシック通、林田アナがいるんだから、彼女を聞き役として起用すれば良かったのに・・。
あ、そういう番組じゃないんでしたね、ハイハイ、すみません。