クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

来年、ベルリン・フィルが来日

来年11月、ベルリン・フィルの来日公演開催が決まったらしい。
招聘元は今回もフジテレビ。実績を積み上げ、すっかり「ベルリン・フィル来日といえばフジ」が定着しつつある。常任指揮者キリル・ペトレンコが率いる初の公演だし、2021年に予定された来日公演がコロナで中止になった残念な経緯もあるので、本来なら期待が高まる嬉しいニュースのはず。

だがなあ・・・。
来てくれるのはとてもありがたいのだが、昨今の世界情勢、経済情勢からすると、チケット代、いったいおいくら万円になっちゃうの? という、想像しただけでゾッとしそうな気配が漂うのである。燃料費、輸送コストの高騰、円安為替レート問題は、きっとダイレクトにチケット代に反映されることだろう。
ちなみに、前回の来日公演は、S席4万3千円、最低席が1万8千円だった。
今回はいくらかなあ。まさかS席5万を超えちゃうかも?? ガクガクブルブル。外来オペラかっつうの。庶民にとって完全に高嶺の花。オマエら庶民は日本のオケでも聴いてろってか?
ひでえ。

もう一つ、「うぅーーん・・」となりそうなのが、プログラムだ。
何を演奏するのか、詳細が楽しみだが、既に発表された日程と会場を見ると、これはもしかして・・何となく予想ができちゃうんじゃないかという・・・。

サントリーホールだけで5回の公演予定・・・これさぁ、ベートーヴェン交響曲全曲チクルスじゃねえの?? 違う??

まあねえ、それに歓喜するファンはかなりいると思うし、あっしも別に嫌というわけでもないのだが・・・ベルリン・フィルのベトチクは2016年にもやってるんだよねー。


私が「うぅーーん・・」と唸ってしまうのは、ベトチクがどうとかではなく、要するに、どうしても無難な保守的定番路線に安易に向かっちゃうからなのだ。
往々にして、招聘エージェントというのは興行的観点でそっちの方へ仕向けようと、プログラム選定に首を突っ込み、口を挟んでくる。奴らに芸術的使命感はない。天下のベルリン・フィル来日公演を実現させることで己のブランドイメージ、地位名声を高め、そしてあわよくば儲けようとしている。

ペトレンコはとてつもない才能に溢れた指揮者である。彼を信頼し、彼の純粋な音楽志向に従えば、きっと意欲的かつ魅力的なプログラムが構成されることだろう。
そうなってほしいところだが、悲しいかな、招聘エージェントのみならず、待ち受ける多くのファンまでもが、実は保守的定番路線を望んでいるのだ。
演奏会という興行も商売である以上、そうなってしまうことを誰も止めることができない。

そういうことだ。もう仕方がない。諦め、受け入れろ。