クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

初のウィーン音楽鑑賞旅行への道

今回ご紹介する過去の旅行記シリーズは、私にとって海外4回目、欧州3回目となる1990年11月ウィーン4日間の旅である。
30年以上も昔の話だが、結構覚えている。若かった頃、海外旅行の経験も浅く、すべてが新鮮。それゆえに、記憶は意外にも鮮明なのだ。

相棒Oくんと行った初の欧州旅行(スイス&オーストリア)から、2年が経っていた。その間に私は転職を果たし、新たに就職する直前、束の間を利用して2回目の欧州旅行に出掛けていた。
そして、次の職場でまったく違う仕事を始め、ようやく少し落ち着いてきた頃、「よし、また海外に行こう」と思い立った。既に海外旅行の面白さに目覚めてしまった私は、もはや出掛けたい衝動を抑えることが出来なくなっていた。若干26歳にして、これから末長く続くビョーキの発症である。

そうは言っても、転職したばかりの新米。前の会社に比べれば格段に年次有給休暇が取り易い環境下だったが、それでも長期は無理。土日と祝日(勤労感謝の日)を引っ掛け、なんとか現地4泊の短期旅行を決行することにした。

行き先はずっと前から決めていた。ウィーンだ。
上記のとおり2年前に訪れていたが、この時は観光オンリーだった。やっぱりウィーンで本格的な音楽を聴きたい。この街を目指すのは、私にとって当然、必然の成り行きだった。

ちょうど購読していた「音楽の友」誌の情報で、ウィーン国立歌劇場のスケジュールを見つけるが出来た。そこに、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」公演があった。

「キター!これだ!」

遡ること2年前。1988年11月、サヴァリッシュ率いるバイエルン州立歌劇場が来日した。一流歌劇場の威信をかけるかのごとく、コロ、ヴァイクル、シュライヤー、プライ、モル、ポップといった最強キャストを揃え、東京でマイスタージンガーが上演された。
なんということであろうか、この時私はまだオペラにハマっておらず(少しずつ聴き始めたばかり)、この作品も知らず、本公演を逃していた。
この後、オペラにハマるようになり、この作品を知り、上記の公演のことを知り、そして地団駄を踏んだ。

ウィーン公演のキャストを眺めると、サー・コリン・デイヴィス指揮、コロ、ポップ、J・V・ダムなど、決して見劣りしない。リベンジのチャンス到来だった。


とりあえず国立歌劇場でこの「マイスタージンガー」と「ボエーム」を鑑賞することを決定。だが、4日間のウィーン滞在のうち、事前に決めたのは、この2公演のみ。鑑賞計画はかなりアバウトだった。
というか、事前に情報を入手できたのが、国立歌劇場のスケジュールのみ。何でも調べられるインターネットは、まだ世の中に存在していなかったのだ。

でも大丈夫。だって、行き先はウィーンだぜ。音楽の都である。
特に、ムジークフェライン。
ここで何か聴きたい。何かやってるだろ。とにかく、行ってみよう。

そんな感じだった。