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2022/5/27 日本フィル

2022年5月27日   日本フィルハーモニー交響楽団   サントリーホール
指揮  カーチュン・ウォン
務川慧悟(ピアノ)、三宅理恵(ソプラノ)
伊福部昭   ピアノと管弦楽のための「リトミカ・オスティナータ」
マーラー   交響曲第4番


一曲目の伊福部昭の作品。
彼の作品に精通しているわけではないし、この曲も初めて聴いたが、概して伊福部昭の作品は耳に馴染みやすく、楽しく聴けて良い。(ゴジラのイメージが大きいか?)
現代音楽にありがちな不協和音のオンパレードでは決してなく、更には作曲家が曲の中に込めたメッセージも明確で、しっかり心に伝わってくる。
ただし、この曲に関して言えば、リズムやメロディーが同じような展開を繰り返すパターンが目立ち、なんだか執拗的だ。結果、長く感じられる。もっとコンパクトにすれば、印象の度合いが増すのではないだろうか。
ピアノの務川さんは、普通に好演。


メインのマーラーは、カーチュン・ウォンが昨年12月に振った5番がとても良かったので、期待した。

カーチュン・ウォンが才能のある良い指揮者だということは、その昨年12月の公演を聴いてすぐにわかったし、疑いようがない。日本フィルが次期首席指揮者として彼と契約したのは、素晴らしい選択だと思う。
今回の4番でも、仕上がりが作品の細部に至るまで非常に念入りで、それを自信をもってタクトで表現している。繊細なところは繊細に、大胆なところは大胆にといった描き分けも見事。
惜しむらくは、日本フィルの演奏の精度が今回はイマイチだった。消化不良を起こしているような印象。これは残念。

まあいい。これから共演の回を重ねるごとにコンビネーションは改善していくだろう。
そうした期待を抱かせるに十分な演奏ではあった。