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2022/4/14 東京・春・音楽祭 室内楽シリーズ

2022年4月14日  東京・春・音楽祭 室内楽シリーズ  東京文化会館小ホール
バルトーク  ヴァイオリンソナタ第2番、2つのヴァイオリンのための44の二重奏曲、2台のピアノと打楽器のためのソナタ
郷古廉(ヴァイオリン)、長原幸太(ヴァイオリン)、加藤洋之(ピアノ)、津田裕也(ピアノ)、清水太(打楽器)、西久保友広(打楽器)


私の悲しい法則、「大好きな曲は、なかなかコンサートでやってくれない。」

ストラヴィンスキーで最も好きな作品はハルサイでも火の鳥でもなく、バレエ音楽「結婚」だが、まったくコンサートでやってくれない。
チャイコで最も好きなのは「イオランタ」。プッチーニで最も好きなのは「修道女アンジェリカ」。
いずれもなかなか上演されない。

バルトークでも、この法則が当てはまる。私が大好きなのは「弦チェレ」、そして「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」だ。両作品とも滅多に聴けないレア作品である。

本公演は「ヴァイオリニスト郷古廉とピアニスト加藤洋之によるバルトーク作品の室内楽」という位置付けだが、そんなわけで、わたし的には申し訳ないけど『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』を鑑賞する千載一遇のコンサートなのであった。

だが、改めてプログラムを眺めてみて、その企画力に感心する。
郷古廉と加藤洋之を組ませてヴァイオリンとピアノのデュオリサイタルをやる、というのが普通だろう。でもそうではなく、二人を基軸に置きながらバルトークに焦点を当て、ヴァイオリン二重奏、ピアノと打楽器の室内楽というふうに展開させるプログラミング。絶妙だ。

郷古さんといえば、つい最近、N響のゲスト・アシスタント・コンサートマスター就任が発表されたばかり。そうなると、読響のコンサートマスターである長原さんとのデュオに、俄然関心が高まる。見た目も演奏スタイルも音色も異なる御両人だが、方向性が合致し、音が融合して、バルトークらしいエキゾチックさを醸し出す様は、さすがというか、実にお見事だ。
長原さんは、東京春祭オケのコンマスも務め、更に「トゥーランドット」公演の読響でもコンマスを務め、大活躍。もしかしたら、東京・春・音楽祭の「影の主役」の一人に挙げられるかもしれない。


期待の「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」は、大満足。演奏がどうというより、単純に作品が楽しい。
改めて思ったが、打楽器というのは視覚的効果が高い楽器だな。大小様々に並ぶ楽器を、奏者が分担して移動しながらパカポコ叩いていく様は、見ていて面白いし、なんだか夢中になる。

そういえば、私は2台のティンパニが活躍するニールセンの「不滅」も大好きだし、もしかして隠れ打楽器フェチなのだろうか??