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N響の決断

1月26日、27日に開催予定だった定期公演Bプログラムについては、団内にコロナ感染者が出てしまったとのことで、公演中止となった。
これについては、外国人入国問題とはまったく別のため、仕方がない一件と捉えられる。

そもそもBプロは、T・ソヒエフが振る予定だった。
そのソヒエフの来日が叶わなかった時点で、わたし的にはある意味“終わったも同然”の公演。ソヒエフ目当てでチケットを買っていたが、中止で払い戻しとなったのは、実は心の中でちょっと嬉しかったのである。


さて、今回の記事タイトル「N響の決断」というのは、以上のことではない。
2月定期のBプロ(16日、27日)の指揮者変更。パーヴォ・ヤルヴィから尾高忠明へ。これが重大なのである。

「外国人入国禁止措置の真っ最中なんだから、しょうがないじゃんか」
そう思うだろう、普通は。私も最初はてっきりそう思った。
ところが、そういうことではなかったのだ。

N響は、2月定期の3プロのうち、池袋で行われるAプロ、Cプロについて、1月早々に内容変更(指揮者を含む)を発表。
その一方で、Bプロについては、「当初予定の出演者での開催を目指し、引き続き状況を注視するため、改めて1月下旬にご案内いたします。」とアナウンスし、結論を引き延ばした。
最終的に結局変更となったわけだが、この時、公に発表された内容が次のとおりだった。以下、N響公式HPのニュース記事より。

「指揮者パーヴォ・ヤルヴィは、2021年9月の来日時に再入国の手続きをしていたため、現在行われている政府の入国停止措置の対象外であり、なおかつ本プログラムに関して再入国後に必要な待機期間を確保できる見通しでした。こうした理由により、共演に向けて調整を進めていましたが、最近の日本国内における感染拡大の状況等を総合的に考え、N響とマエストロ側の両者で協議した結果、今回の招聘を断念することとなりました。」

これには驚いた。事前にちゃんと手続をしていたので、入国オーケーだったというのである。
にも関わらず、招聘を断念したとは!

「最近の日本国内における感染拡大の状況等を総合的に考え・・・」などとぬかしているが、ちょっと待て。演奏会は出演者を代えながら平然とやっているではないか!?

ということは、つまり、要するに、ヤルヴィ側から難色を示されたというわけか??

そのヤルヴィは、白々しく以下のコメントを出している。
N響の首席指揮者として任期最後となる2月の演奏会のために日本へ渡航する予定でしたが、それがかなわないこととなり痛恨の極みです。」

これはN響からの発表だけでなく、彼自身の公式ツイッターでもコメントしている正式内容である。

そう、今回が彼の首席指揮者としてのラスト公演だったのだ。
真っ当な責任感の持ち主なら、N響との繋がりが依然として強固のままだったら、本当にハッピーエンドを迎えたいのなら、何が何でも来日しようとしたはずであろう。

それだけ日本のオミクロンの蔓延状況が酷く、特別な思いを寄せてくれるはずの外国人さえも躊躇するほどの深刻事態だということか・・・。


それにしても、この外国人入国禁止、本当に今現在でも必要な措置なんだろうか。もはや単なる「やってます、頑張ってます」アピールにしか見えん。
強力な措置を講じたはずなのに、あっさりとすり抜けられ、既に感染者は大激増。
「外国人が入ってくると、コロナを持ち込まれるかも・・・」
いやいや、もうそんな段階じゃねえ。
ドイツからも危険地域国に指定されてしまったし、今や「日本に行ったら、コロナに感染しちゃうかも」とみなされ、「禁止も何も、こっちからお断りよ」と三下り半を突き付けられる有様なのである。

なんかカッコ悪いよな(笑)。

経団連会長も「早急に解除の検討を」と言っている。
経済を考えれば、当然のこと。いいのかよ、経済のこと考えないで。
個人的にも、Jリーグ開幕が控えているのに、浦和レッズの新規獲得外国人選手が未だに入国出来ない事態は、めっちゃイライラするし・・・。
今年のレッズには期待してるんだよなー。

(なんだか『N響の決断』という記事テーマから話が離れている気がするが・・・たぶん気のせいだろう。)