クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/11/8 ウィーン・フィル1

2021年11月8日  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団   サントリーホール
指揮  リッカルド・ムーティ
シューベルト  交響曲第4番「悲劇的」
ストラヴィンスキー  妖精の口づけより ディヴェルティメント
メンデルスゾーン  交響曲第4番「イタリア」


外来オケの演奏をこれまでに何百回も聴いてきた。外来オケを含めたクラシックやオペラの公演に足を運んだ回数は、優に2千回を超える。
だから、どんな演奏だったのかについては、感じたこと捉えたこと、それなりに雄弁に語ることが出来る、そう思っていたし、勝手に自負していた。

ところが、である。
久しぶりの外来オーケストラ公演で、それが天下のウィーン・フィル
圧倒されちゃったのであった。
「いやー、まいった」とか「うーん、すごい」みたいに唸っちゃってさ、悲しいくらい美辞麗句の形容詞が出てこないんだ。
これでは「良かった~!」などと言って喜んでいるライトな人たちと何も変わらない。
いやー、まいった(笑)。

情けないし、それではブログ記事に何も書けないので、必死に何か言葉を探し、ようやく2つの単語を見つけ出した。

「風格」と「薫香」。

いずれもウィーン・フィルの魅力について言い表す的確な言葉で、既に用いたことがある人もいるかもしれない。
でも、この日の公演の感想として、これ以上に相応しい言葉は私には見つからない。

風格については、ステージに居並ぶエリート奏者達の演奏する姿を見渡せば、すぐに目に見えて分かる。
クラシック界を牽引し、本場本物のハイグレードな演奏を披露する使命感に溢れた、強烈なプライド。これらが滲み出ている。

そして薫香。
本来目に見えないものなのに、聴覚を通じて視覚化された、沸き立つ甘美。
ウィーン・フィルは「伝統のサウンド」などと言われるが、抽象的でイマイチよく分からない。
でも、聴けば分かる。プンプン香ってくるし、見えてくる。
その意味が分からない人には、会場に連れて行き、聴かせ、「ほら、これだよ」と指し示せばよい。「なるほど、これか!」と必ず納得する。
それがウィーン・フィルの薫香、伝統のサウンドなのだ。


今年がウィーン・フィルデビュー50周年だというムーティ
80歳になってもなお壮健なマエストロについては、もう一つのプログラムの公演に行ってから、合わせて記事にしてみることにしたい。

圧倒されて、再び「いやー、まいった」になっちゃったりして(笑)。