2021年1月24日 東京フィルハーモニー交響楽団 オーチャードホール
指揮 アンドレア・バッティストーニ
ラヴェル ダフニスとクロエ 第一組曲、第二組曲
ストラヴィンスキー バレエ組曲「火の鳥」
東京フィルの2021新シーズンプログラムが発表された時、ツイッター上で、「1月の公演、楽しみ!!」というたくさんの書き込みを見かけた。
それは、「久しぶりにまたバッティストーニ指揮の演奏が聴ける!」という期待に加えて、「これらの曲をバッティストーニがやったら、きっといい演奏になるに違いない」というワクワク感、その二つがファンの思いの中で重なったからだと思う。
で、その期待を絶対に裏切らず、100%で応えるバッティ。
こちらがバッティストーニのタクトや音楽に対して抱くイメージ、「情熱」、「豪快」、「アグレッシブ」、「濃密」、「多彩」・・・。
本当にそういうイメージのままに音楽が展開、炸裂。
ゴージャスなサウンドでカタルシスを生み出す一方、特にラヴェルにおいては、弱音にも焦点を当てて光の眩さを繊細に表現するなど、丁寧な音楽作りでも聴衆を魅了した。
オーケストラの東京フィルも、最大限の実力を発揮して、指揮者のリードに応えていたと思う。
東京フィルでこれほどまでにモチベーションが演奏に現れた演奏は、あまり記憶にない。彼らもまた、もしかしたらファン以上に、バッティストーニと一緒に演奏できるのを待ち侘び、その喜びを感じていたのだろう。
こうしたコラボレーションを目の当たりにして、バッティと東京フィルの関係は、コンサートの開催が厳しい環境下にある中、「新たなステップに入った」と思った。
外国人の入国規制が実施された中で、今月はバッティストーニ、インバル、ヴァイグレという、各オーケストラの重要なパートナーたちが指揮台に立つ公演が実現した。
奇跡的な月だったと思う。
この後、またしばらくは国内組で頑張っていくしかない。