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2019/9/13 東京フィル

2019年9月13日  東京フィルハーモニー交響楽団   サントリーホール
指揮  アンドレア・バッティストーニ
合唱  新国立劇場合唱団
木嶋真優(ヴァイオリン)
ヴィヴァルディ  四季(「和声と創意への試み」より)
ホルスト  組曲惑星


バッティストーニの独演会。良くも悪くもバッティストーニ。
前半の四季なんか、いわゆるヴィヴァルディらしさとか、古典とか、全部リセットしちゃって、指揮者のやりたい放題。ヴィヴァルディが当時どういう楽想で曲を書いたかではなく、あくまでも自分の感性で捉えている。
ヴィヴァルディはイタリア人で、バッティもイタリア人だが、この演奏がイタリア正統、四季のあるべき姿とは決して思えない。

もっとも、奏者(ソロもトゥッティも)のアーティキュレーションを指揮者の思いどおりに整え、完全に自分の流儀にしてしまうあたりは、さすがバッティというか、あっぱれとしか言いようがない。
自由自在、まるで鼻歌を歌っているかのような軽やかさ(実際、歌ってるし)で、そこらへんは実に爽快だ。
そういうわけで、「やりたい放題」なんて言いつつも、実は「めっちゃ面白え演奏じゃん」と楽しんでしまったのである。

東京フィルだから、上手くいったんだと思うな。
これがウィーン・フィルだったら、「Why?」「何考えてんの?」と抵抗されるだけだろう(笑)。

後半の惑星は、もう、若き衝動、情熱とエネルギーが抑えられなくて、「おりゃーーー!!」と発散しちゃいましたっていう演奏。
これはさすがに苦笑。

あのねえ、スター・ウォーズじゃないんだから(笑)。

でも、惑星は音楽が壮大でかっこいい曲が多い。こうした曲を音量MAXで「ガーッ」と演奏したら、カタルシス効果バツグンだ。
もし自分がオケ奏者だったら・・指揮者がこういう音楽作ってくれたら、スカッとして気持ちいいだろうな。
実際、各奏者(特に管楽器群)の演奏はキレがあって鮮やかだった。

でも、鑑賞者としては、もうちょっと個々の曲の味わいを引き立ててほしい、ホルストが描いたイメージを際立たせてほしいと思った。
だって、この作品は標題音楽なんだからさ。