クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

外来演奏家に立ちはだかる壁

コロナの影響で、外来演奏家の来日が困難になっている。
最大の障壁が、たとえ入国時審査で陰性であったとしても、その後、二週間の隔離を強いられるというものだ。

ホテルに缶詰にされるというわけだが、これ、かなりキツいと思う。
二週間は長い。狭い空間の中、やれることは限られる。時間を持て余すだろうし、健康な人でも相当のストレスがかかりそう。
だから、来日公演を断念し、演奏会が中止になるというのは、理解できるし、仕方がないことだと思う。

ところが、このような苦行を受け入れて来日し、隔離期間を経た上で演奏会を敢行しようとする演奏家、指揮者が現れている。

例えばピアニストのアンドレイ・ガヴリーロフゲルハルト・オピッツ、日本人だけど海外在住の庄司紗矢香さん、新国立劇場公演に出演する何人かの歌手たち・・・。
指揮者では、マキシム・パスカルセバスティアン・ヴァイグレが既に来日済。
年末の東響の第9に向けてJ・ノットも来日予定だというし、来月は都響公演のためにE・インバルも来日の方向で調整中だそうである。

最も驚いたのは、御年88歳のロシアの巨匠、ウラディーミル・フェドセーエフが既に単身来日を果たしていることだ。

広島交響楽団の招聘。現時点で他のオーケストラを振る予定はないとみられ、だとすれば、たった1公演だけ(12月10日)のための来日だ。
在京メジャーオケではなく、広響の1公演だけのために・・・。

いやー、信じられん。マジか・・・。

私は本公演のことも、フェドの来日も、ずっと知らなくて(そりゃ広響なんか情報受信の圏外だもんね)、つい先日、師匠のKさんから教えてもらって、びっくりした。そんなことがあるのか、と。

恐る恐る調べてみたら、チケットがまだ残っていたので、慌ててゲット。
来年3月に手兵のチャイコフスキー・オーケストラを率いて来日予定だが、オーケストラの団体入国は現状において限りなく困難であり、多分無理であろう。
だとすれば、次にフェドさんがいつ来日できるのか、まったく分からない。年齢を考慮すれば、なおのことだ。これはもう、何が何でも行かなければならない。

ということで、急遽広島に行くことにした。

それにしても、フェドさんを始め、これらの演奏家の皆さん、こんな大変な時期にキツい苦行を覚悟しての来日、本当にありがとうございます。
その不屈のモチベーションはいったいどこからくるのでしょうか。

世界の何処もがパンデミックの中、欧米は特に状況が厳しく、演奏会が中止に追い込まれている。
ならば、演奏できる貴重な場所で、二週間隔離を受け入れてでも演奏の機会を何としてでも確保したい、ということなのだろうか。
演奏するということは、すなわちお金を稼ぐということだし、結構切実な問題だったりして・・・。

今の世の中はソーシャルネットワークが発達しているから、ホテルの部屋にいても外とつながることはできるし、練習したり、スコアを勉強したり、という時間を十分に取れるというメリットも少なからずあるのかもしれない。


ところで、二週間隔離に係る宿泊代や食事代って、どっちが持つんですかねえ。
やっぱ興行主催側なんですかねえ・・・。