ポルトガルを訪れて、いきなり驚いた。
リスボン市内の地下鉄で、日本のSuicaやPasmoのような交通ICカードが導入されていたのだ。
2004年当時、日本では既にJR東日本がSuicaを導入していたが、それでも関東圏の私鉄では、磁気カードが主流。(パスネット、覚えてる?)電子式ICカードの全国的流通はまだまだだった。
テクノロジー大国だった日本でさえそうだというのに、ましてや切符を買うのに自動券売機ではなく、バカみたいにわざわざカウンターに並ぶことを強いられるヨーロッパで、そのような先進的カードなんか見たとことがなかった。
それが、なんとリスボンにあったのだ。
やっぱり、オリンピックも同様だが、世界的なビッグイベントを開催することが決まると、街並みもインフラも整備され、同時にイノベーション化が急ピッチで図られるってわけだ。ポルトガルはきっと、ユーロ2004大会をきっかけにして、先進国の仲間入りを果たそうと、相当に息巻いたに違いない。そう思った。
リスボン市内は、やはりというか、「ユーロ」一色だった。
ご覧あれ、大型ホテルの壁を大きく飾った同国代表の写真を。
宣伝広告板には、超イケメンのルイ・コスタのポスター。(カッケ~)
居住区の建物のベランダや窓辺には、あちこちで大小のポルトガル国旗が飾られている。
到着した旅行初日、この日は開催国ポルトガル対イングランドという好カードが組まれていた。
街中で多くの地元民が騒いでいるかと思いきや、旧市街の中心地ロッシオ広場を占拠していたのは、対戦国のイングランドサポーターたちであった。
彼らははるばるイベリア半島にやってきた。準々決勝で開催国と戦うことになった母国代表を応援するために。
試合は夜からだというのに、昼間からビールをしこたま飲み、すっかり出来上がって応援チャントを歌っている。持ってきた応援フラッグを許可なく遠慮構わずポール等に結びつけ、「オレたちは参上したぞ」とばかりに威勢を張る。それは、2002年日韓ワールドカップでも繰り広げられた、おなじみの光景だった。