クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

新型コロナウィルスの影響

新型肺炎コロナウィルス騒動は、だんだんと「他人事」「対岸の火事」ではなくなってきている。
ボストン交響楽団が、今月に予定していた東アジアツアーの中止を決定した。今回はたまたまそのツアー行程に日本が組み込まれていなかったので影響はなかったが、もしかしたらこれは、忍び寄る悪しき前兆かもしれない。
なぜなら、外来の演奏団体やアーティストは、中国などを含め、アジアツアーの一環として来日することがあるからだ。

今回のボストン響は、ソウル、台北、上海、香港を巡る演奏旅行だった。中国本土ではないソウルや台北のファンは、さぞやがっかりし、そして「とばっちりを受けた」という思いが頭によぎったことだろう。

同じようなことが日本にだって起きる可能性がある。
我々からしてみれば「中国と日本は別」である。そうであっても、欧米からしてみれば「同じ東アジア圏」という認識がある。
話を逆にして考えてみれば分かりやすい。
例えばイギリスでテロが起こった時、我々は予定しているフランス旅行に行っても大丈夫なのか、不安になる。そういうのとまったく一緒なのだ。
2月も3月も、様々な外来公演、アーティストの来日が予定されているが、どうか予定どおりとなることを祈るばかりである。

また、ニュースによれば、ヨーロッパなどにおいて、中国人だけでなくアジア系に対しても、避けられたり、蔑視の目を向けられたり、といった、偏見や無知に基づく差別行動が起き始めているという。
悲しいことだし、まったく良いことだとは思わないが、これだってなんとなく理解できる。
私だって、イスラム過激派によるテロが起きると、海外旅行中、髭をはやした中東系の人を見て、内心警戒してしまうことがある。人の心というのは、きれい事だけで済まされないものがあるのだ。

私自身は、これまでに数多く海外に行っているが、露骨な差別を受けて嫌な思いをしたことはほとんどない。所詮は旅行であり、現地の人々と深く関わることがほとんどないためだ。単に金を落としてくれる旅行客は歓迎される。少なくとも表面上は。
だが、今後しばらくは、もしかしたらそういう嫌な目に遭うかもしれない。ある程度は覚悟しておこう。別に、日本人なのだから堂々としていればいい。どうせ言葉だってよくわからないし。

実は今年のゴールデンウィークに、アメリカ行きを計画している。そのフライトとして、初めて中国国際航空のチケットを買ってしまった。東京発北京経由アメリカ行き。
直行便にすればいいのにわざわざ北京経由にしたのは、とにかく航空運賃が安かったからだ。
中国国際航空の評判は非常に悪くて、これまで一度も利用したことがなかったが、つい安さに負けてしまった。普段から飛行機には快適性を求めておらず、「バスのようにただ運んでくれればいいさ」と思っていたから。
しかし、今、アメリカを始めとして、各国が続々と中国便をキャンセルするようになり、にわかに雲行きが怪しくなった。
この騒動がいつ収束するかもわからない。SARSの時は、収束まで半年くらいかかったと聞く。「旅行は大丈夫か、中止になってしまうのではないか。」などと不安を抱えて過ごすのは嫌だ。

ということで、中国国際航空のフライトをキャンセルし、結局日本からの直行フライトを買い直してしまった。
余計な出費がかかってしまったが、仕方がない。もしかしたら、騒動は程なくして収束し、後になって「早まった」と思うかもしれないが、仕方がない。行けなくなってがっかりするよりは、まし。賢明の措置だった、そう思うことにしよう。高い授業料を払ったと割り切るのだ。