2009年6月14日 新国立劇場
ロッシーニ チェネレントラ
指揮 デヴィッド・サイラス
演出 ジャン・ピエール・ポネル(原)、グリシャ・アサガロフ(再)
アントニーノ・シラグーサ(ドン・ラミーロ)、ロベルト・デ・カンディア(ダンディーニ)、ブルーノ・デ・シモーネ(ドン・マニフィコ)、ヴェッセリーナ・カサロヴァ(アンジェリーナ)、ギュンター・グロイスベック(アリドーロ)、幸田浩子(クロリンダ)、清水華澄(ティスベ)
頭を巡らせた。こんなにも楽しく、笑いが起きるオペラってほかに何があるだろう?
モーツァルトにもいくつか笑えるのがあるし、同じロッシーニで「セヴィリアの理髪師」、「アルジェのイタリア女」などもある。ドニゼッティの「愛の妙薬」、それから「こうもり」などのオペレッタ・・・。
でも、果たしてチェネレントラより面白いかと言えば「う~ん・・・」
演出によってちょっとしたギャグが組み入れられることはよくあるが、全編にわたって笑いやユーモアに満ち溢れた作品は以外と少ないのだ。そういう意味で、このチェネレントラはストーリーもよく知られているし、もっともっと初心者や万人に広くお薦めしたい良作品と言えましょう。
この作品がいかに愉快で楽しくなるかは、ひとえにお父さんのドン・マニフィコとお姉さん達にかかっている。
こういう場合、「おとぼけギャグが体に染みついているかのような外国人キャストが一枚も二枚も上で、演技が下手な日本人は分が悪い」というのがこれまでの定番なのだが、今回の幸田さんと清水さんは頑張った!まさに体を張った大熱演。お疲れさま~。
新国立劇場初登場のカサロヴァは貫禄たっぷりで、独特のこぶしが入った‘カサロヴァ節’も絶好調。(っていうか、年々アクが強くなっている気がする・・)
右手を客席の方向に掲げながら顔を右斜めに向けて歌うその姿は演歌そのもの、まさに都はるみ!!
(あんこおぉぉ~ つばきぃわぁぁ~ (笑))
そして、世界的ロッシーニテノールのシラグーサが高音のアクートをビシッと決めて、さらにはアンコールまで歌ってくれればもう全て言うことナシ!観客は大熱狂!カーテンコールはスタンディングオーベーション!
もう、さ、「オケがどうのこうの」とか「演出がどうのこうの」とか言うのやめましょうや。
どうだっていいじゃん、そんなの。こんなに楽しいんだから。ねー!?