ヴェルディ 一日だけの王様
指揮 フランチェスコ・パスクアレッティ
原演出 ピエール・ルイジ・ピッツィ
再演出 マッシモ・ガスパロン
ミケーレ・パッティ(騎士ベルフィオーレ)、ジュリオ・マストロトターロ(ケルバー男爵)、ジョイア・クレパルディ(ポッジョ伯爵夫人)、ディアナ・ローサ・カルデナス・アルフォンソ(ジュリエッタ)、マルティン・ススニク(エドアルド)、マッテオ・ダポリート(ロッカ長官)
以前の記事にも書いたとおり、記念すべき私の「欧州の劇場制覇100番目」が、偉大な作曲家ヴェルディゆかりの地ブッセートの劇場となった。いやーめでたい!
ここでヴェルディのオペラを観るのは特別だ。しかも、なかなかお目にかかれない初期作品。
これは嬉しい!思わず自慢したくなる。すまんが、自慢させてほしい。
「どうだい、すげーだろ!(笑)」
は、どうも失礼しました。
キャパは300くらいだろうか。
しかし侮るなかれ。
それは、この劇場にヴェルディの魂が宿っているからに他ならない。小さくとも由緒ある伝統の劇場なのだ。
上記の出演歌手で知っている人は一人もいない。ブッセートで開催される「ヴェルディの声」国際コンクールとの共催と発表されていたので、そうしたコンクール出場者が中心なのかもしれない。
演出は、以前にパルマ・レージョ劇場で上演されたプロダクションのレンタル。
伝統的なオーソドックスタイプだが、すべての動きに演技が付けられ、構成が為され、本格的で実に素晴らしい。そして、とにかく楽しい。
作品も、あまり有名ではないが、滅多に上演されないのがもったいないくらいの名作だと思う。
どうしてそうならないのだろう。
初期作品だからか。失敗作だと言われているからか。ヴェルディにブッファは似合わないからか。
いやいや、実際に聴いてみなって。みんな食わず嫌いだろ。
今回私が観たプロダクション、パルマでの上演映像がDVDで日本語字幕付きで市販されているから、ぜひ観て。不遇とも言われる作品の名誉を回復しようではないか。
大満足の公演。ブッセートに来て良かった。