クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2018/10/6 ブッセート2

ブッセート二日目。この日はパルマに移動するが、その前にもう少しこの愛しの街を探索しよう。
 
バレッツィ邸博物館。
ダイヤの原石を見抜き、若きヴェルディの才能をさらに磨かせるため、彼をブッセートに連れてきた大スポンサー。そして、ヴェルディが最初に結婚したお嫁さんのお父さん。つまり、ヴェルディの義父でもある。
 
そうしたバレッツィという人物を紹介するための博物館なのかと思いきや、内部はとにかくヴェルディの貴重な資料で埋め尽くされている、事実上のヴェルディ博物館である。
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(撮影が許されているのは、このホールのみ。ガイドツアーも催行されているみたいだが、私が訪れた時は自由見学だった。)
 
国立ヴェルディ博物館のすぐ隣にある。両方をセットで見学するのが効率的だが、ヴェルディ博物館が終日オープンなのに対し、テバルディ博物館は正午から午後3時までお昼休み閉館となる。このため、前日は見学できなかった。訪れる際は注意が必要だ。
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言うまでもなくスカラ座の黄金時代を支えた、往年の偉大なソプラノ。マリア・カラスの好敵手であった。
しかし、カラスが伝説として永久に語り継がれる一方、どうしてもテバルディは彼女と比較され、分が悪い。
だが、だれが何と言おうと、彼女も不滅のレジェンドだ。
 
博物館には、舞台衣装、写真、所持品などが陳列されている。
展示品そのものはそれほど目を見張るものではないが、館内で麗しの歌声がずっと流されているのが、大きなポイントだ。輝かしい名アリアに耳を傾けているだけでジーンと来てしまう。
BGMがなかったら、おそらく15分くらいで見学し終えてしまうかもしれないが、私は魅惑の歌に引き込まれ、40分くらい滞在し、佇んだ。
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最後に、滞在したホテルの御主人ベルゴンツィ氏との、チェックアウト時の会話をご紹介しよう。
 
ベルゴンツィ(以下B)
「昨夜のオペラは堪能しましたか?」
私「ええ。とても良かったです。」
(オペラを観に来たと言っていないのに、そのために来たことが分かってもらえている。)
B「本日はこれからパルマに行くんですよね。」
私「はいそうです。」(すげー、ちゃんとお見通しだ!)
B「今日はアッティラですね。」
私「ですね。」
B「私の友人が出演するんですよ。」
私「え?? 誰ですか?」
B「バスのザネッラートさん。」
私「えー!! リッカルド・ザネッラート!! タイトル・ロールじゃないですか!!」
B「貴方もご存知ですか。素晴らしい。」
私「友人なんですか!」
B「ええ、まあね。はっはっは(笑)」
 
ちなみにベルゴンツィご主人、偉大な父のDNAを持っているらしく、テノールのいい声をしていた。もしかしたら歌手になれたのじゃないかとも思ったが、つい比較されてしまう二世の宿命に潰されてしまうのなら、宿屋の主人でも良かったのかな。