ブッセート二日目。この日はパルマに移動するが、その前にもう少しこの愛しの街を探索しよう。
バレッツィ邸博物館。
(撮影が許されているのは、このホールのみ。ガイドツアーも催行されているみたいだが、私が訪れた時は自由見学だった。)
レナータ・テバルディ博物館。
国立ヴェルディ博物館のすぐ隣にある。両方をセットで見学するのが効率的だが、ヴェルディ博物館が終日オープンなのに対し、テバルディ博物館は正午から午後3時までお昼休み閉館となる。このため、前日は見学できなかった。訪れる際は注意が必要だ。
しかし、カラスが伝説として永久に語り継がれる一方、どうしてもテバルディは彼女と比較され、分が悪い。
だが、だれが何と言おうと、彼女も不滅のレジェンドだ。
博物館には、舞台衣装、写真、所持品などが陳列されている。
展示品そのものはそれほど目を見張るものではないが、館内で麗しの歌声がずっと流されているのが、大きなポイントだ。輝かしい名アリアに耳を傾けているだけでジーンと来てしまう。
BGMがなかったら、おそらく15分くらいで見学し終えてしまうかもしれないが、私は魅惑の歌に引き込まれ、40分くらい滞在し、佇んだ。
最後に、滞在したホテルの御主人ベルゴンツィ氏との、チェックアウト時の会話をご紹介しよう。
ベルゴンツィ(以下B)
「昨夜のオペラは堪能しましたか?」
私「ええ。とても良かったです。」
(オペラを観に来たと言っていないのに、そのために来たことが分かってもらえている。)
B「本日はこれからパルマに行くんですよね。」
私「はいそうです。」(すげー、ちゃんとお見通しだ!)
B「今日はアッティラですね。」
私「ですね。」
B「私の友人が出演するんですよ。」
私「え?? 誰ですか?」
B「バスのザネッラートさん。」
私「えー!! リッカルド・ザネッラート!! タイトル・ロールじゃないですか!!」
B「貴方もご存知ですか。素晴らしい。」
私「友人なんですか!」
B「ええ、まあね。はっはっは(笑)」
ちなみにベルゴンツィご主人、偉大な父のDNAを持っているらしく、テノールのいい声をしていた。もしかしたら歌手になれたのじゃないかとも思ったが、つい比較されてしまう二世の宿命に潰されてしまうのなら、宿屋の主人でも良かったのかな。