クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

欧州ローカル劇場事情

さっそく旅行記をアップしようと思ったが、持参したタブレットPCの調子が悪いのか、写真のアップロードがうまくいかない。なので、現地でのアップは断念し、今回、テキストだけによる記事を報告しよう。
 
以下に挙げたのは、今回ザールランド州立劇場(ザールブリュッケン)で気が付いたこと(一部リヨン国立歌劇場でも見受けたこと)だ。
日本と異なるユニークな劇場事情は、実は今回訪れた所だけの特徴ではない。欧州のローカル劇場であり得る話である。海外の劇場によく出かける人なら、「うんうん、そうそう」と頷いてくれることだろう。
 
まず、ザールランド州立劇場では、各座席に劇場内すべての座席の通し番号が付いていた。私の座席の番号は725番だった。これだと、例えば2階と3階、左側と右側といった勘違いによる座席の座り間違いは起こらない。
 
コートなどを預けるクロークでの荷物管理は、その座席の通し番号ごとになっている。このため、自分の席によってクロークの場所が決められる。どこでもひょいと預けることは出来ない。
コートや荷物を預ける際にはチケットを提示し、係員に座席番号を知らせる。預けた自分のコートは座席番号が表示されたハンガーに吊るされる。通常なら控えとしてもらう預かり票(カード)は、そういうわけなので、ない。コートを取り戻す際は、チケットを再提示するか、もしくは座席番号を伝える。
 
ロビーには、座ってくつろげるような椅子やソファがない。リヨンでもそうだった。座りたかったら、劇場内のカフェで飲食するしかない。みんな立食パーティのように、立って談笑している。そういう文化なのだろうけど、年寄りにはきつくないか? 実際リヨンでは、階段の段差に腰掛ける人が多数いた。
いいのかよ、それで。どうして苦情や改善要望が出ないのだろう?
 
トイレの場所が分かりにくい。日本だと、トイレの場所は男女同じ所にあり、男女の入り口がそこから左と右とで分かれるパターン。
欧州の劇場では、男子トイレと女子トイレが同じ場所、あるいは隣の場所にあるとは限らず、完全独立していることが多い。このため、「トイレ見つけた!」と思ってドアの前に立ったら、そこは女子トイレで、男子トイレは全然違う場所だったということに陥る。
 
開場時間になったからといって、すぐにホール内の座席に入ることが出来ない。しばしロビーで待たされる。開演の15分前頃、ようやくドアが開けられ、自分の席に座ることが出来た。それまでずっと立ちっぱなしだったので、ようやくという感じだ。
また、休憩になったらすべてのお客さんはロビーへ出なければならず、自分の座席で座って休憩時間を過ごすことが出来ない。
あのさあ、どこで過ごすかはお客の自由じゃないのか? それとも保安上の理由なのだろうか。
 
劇場入り口でチケットを提示したにも関わらず、お客を正しいドアから入場させるため、各ドアにいる係員に再度チケットを提示しなければならない。二度手間だと思うけどなあ。
こうした各ドアに立っている係員は、プログラム販売員を兼ねていて、プログラムは彼らから買うことになる。(販売カウンターもあることはある。)
 
今回の話ではないが、開演直前になっても空いている前方の良席に、係員の計らいで、後ろの方の席の人をそこに誘導させることがある。過去に私もそうした恩恵に浴したことが何度かあった。日本では絶対にありえないシステムだ。
 
劇場のルール、日本とではこんなに相違点があります。面白いと思いませんか。