上の写真はザールブリュッケン市内。川の向こうに見えるのが、ザールランド州立劇場である。
16日(金)の夜に出発し、本日午前中に帰国という慌ただしさ。実質的な現地滞在はたったの二日である。
今回の旅行であるが、そもそも当初はザールブリュッケンに行く予定ではなかった。
具体的にリヨンのパルジファルの上演スケジュールが3月と発表された時点で、短期旅行にならざるを得ないことは覚悟の上だった。この時期は年度末で仕事が忙しく、のんきに休暇を取るのが難しい。
さっそくパリ経由のリヨン行きの飛行機を予約。最近は利用回数がすっかり激減したエールフランスの夜便を使うことにした。なんだかんだ言っても、このフライトは時間を節約したい時にはありがたい。
こうして旅行計画の策定はあっさりと終了・・・のはずだった。
「同じ日の同じ時間に、欧州の劇場にポストを持つ二人の日本人指揮者が揃ってパルジファルを振る。偶然とはいえ、こりゃすごいことだなあ・・。」
「私は大野さんが指揮するオペラを現地で既に何度も観ている。一方で、上岡さんはまだ一度もない。」
「ザールブリュッケンという都市もこれまで一度も行ったことがない。一方で、リヨンは既に4回行っている。」
こういったことを漠然と考えている時点で、もう気持ちがザールブリュッケンに傾いているも同然だった。
交通手段についても、私の気持ちを後押しした。
そのザールブリュッケンへは、パリ東駅から電車でフランクフルト行きのICE(ドイツ新幹線がパリに乗り入れている)に乗れば、途中下車してあっという間に到着だ。
こうして、私の旅行計画が変更になった。リヨンに行くための旅行だったのに、そのリヨン行きを取りやめるというのは若干心に引っかかるものがあったが、衝動が勝ったのである。
出発前に一番危惧していたのは、時差ボケが解消しない短期旅行で、長時間のワーグナー二本立てに果たして耐えられるかということだった。
「眠くなっちゃうんじゃないかなあ・・・。」
先日に行ってきた年末年始旅行で、ロンドンのマイスタージンガーで完全撃沈した苦い記憶がまだ消えていなかった。
ま、実際どうだったのかについては、次回以降のレポにて触れるとしましょうか。
今回は旅行記自体は、あっという間に終わりそうです。