ヨエンスーに戻ってレンタカーを返却し、電車に乗ってイマトラに向かった。三日目の宿泊地はここ。
日本のガイドブックには、ロシアとの国境までわずか7キロのこの小さな街についてまったく紹介されていない(そもそもフィンランドを扱うガイドブックが少ない)。しかし、必見の観光スポットがある。
それは、夏場に毎日開催される「渓谷の急流ショー」だ。
街の脇を流れるヴオクシ川と、そのすぐ隣にある支流。ダムが建設されていて、普段は急な角度を持つ支流の谷に水が流れることはない。ところが夏の一定期間、観光用にダムから支流の谷に水を開放し、人工的に急流を作って見せるというもの。これこそが観光の目玉。もちろん見学無料。
放水時間は毎日午後6時。絶好の鑑賞ポイントである橋には、かなり前から観光客が良い位置を確保しようと集まってくる。出遅れると、背の高い外人の後塵を拝することになるので注意。
8年前もこの曲だった。8年間、いやそれ以上ずっとこれを流し続けているのか!?思わず笑ってしまう。でも、なんだか懐かしくて嬉しかった。
放水時間はおよそ20分。水の流れを最後まで見届けても30分。あっという間である。あれだけたくさん集まっていた観光客は水量が減るにつれて三々五々いなくなり、またいつもの静かな田舎町に戻っていく。外はまだ全然明るい。ホテルに戻るにはあまりにももったいないので、本流のヴオクシ川沿いをのんびりと散歩した。野鳥が飛んでいる。水鳥がぷかぷか浮いている。なんてのどかなひと時。