クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/1/27 台北4

 タイペイ三日目、最終日。夕方の帰国フライトの都合上、観光に費やせる時間は午後2時頃まで。ここまで観光はほぼ順調。行こうとしていた場所にはだいたい足を運んだ。あとは、最終日、故宮博物院に行き、その後に超高層ビルのタイペイ101の展望台に登って市内を一望する景色を眺めたら、Kくんのプランは完璧になるところだった。
(あ、言っておきますが、タイペイ観光で人気があるらしいマッサージとかショッピングとかは、野郎共である我々の辞書には最初からありませんので、あしからず。)
 
完璧になるはずのKくんプランに水を差したのは天気だった。
朝起きてカーテンを開けると、雨がしとしと降っていた。あっちゃー。これじゃスカイパノラマはアウトだなあ。
 
ホテルをチェックアウト。快適に過ごせました、ありがとうございます。
大きな荷物を預かってもらった後、雨でも全然問題ない故宮博物院に行く。
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ガイドブックには「世界4大博物館の一つ」と書いてある。
ええーっ!? 本当か?
だって、あと3つは大英とルーブルとメトだろ?違うか?エルミタージュとかワシントンのスミソニアンとか入らないの?故宮博物院ってそんなにスゴいのか?いったいそこに何があるんだ?Kくん。
 
は? なんだって?白菜?豚角煮?はぁ??
 
何言ってんのよ。意味わからん、わけわからん。ええい、自分で確かめるわい。
 
 故宮博物院、混んでいた。日曜日だからだろうか。平日日曜に関わらず、いつも混んでいるのだろうか。
 多いのは、もちろん中国系の人たち。最近は台湾国内というより、大陸本土からの観光客が激増しているんだとか。その次となると、日本人か。東南アジア系や欧米人も少なくない。
 
 展示してある何百年あるいは何千年も前の土器、銅器、お皿、壺、工芸品、書・・・。うーん。古くて貴重な宝物であることは間違いないのだろうが・・・。正直言って、私にはその価値がよく分からない。
 私は絵画美術は大好きだ。なぜならそこに「創造性」を見出すことが出来るから。音楽芸術、舞台芸術と相通じるものである。
 だが、こうした博物館に展示される骨董品は、「古い」が故に価値があるのではなかろうか。
 
 例えば、だ。
 私が日常で使っている500円のコーヒーマグカップ。何かのハプニングで外に落としてしまい、はるか地中に埋没して、それが5千年後に発掘されたとしよう。すると、そのマグカップはとたんに歴史的貴重品となるわけでしょう?
(いや、だからあくまでも例えばの話だってばさ。)
 
 ま、そういうわけでして、数々の展示品にイマイチ感動できず、「ふーん」とか言いながら、展示室をスタスタ漂流した。どうもすみません。
 
 3階への階段に向かったところで、思わずギョッとして足が止まった。階段が人で埋め尽くされている。ほぼ全員が中国からの団体客である。ひえぇぇ! 恐るべし13億人、三千年の歴史、毛沢東周恩来、中華三昧。時間をずらすことにして、もう少し他の展示室を巡回。お昼の12時近くになって再度その場所に行ってみると、並んでいる人はかなり減っていたが、それでも列を作っていて入場制限が敷かれている。
 人々のお目当ては、当博物館の最大の目玉である「翠玉白菜」と「肉形石」。これかあ、白菜と豚角煮というのは。両方とも清王朝時代の彫刻品で、名宝だそうである。(下の写真は翠玉白菜
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うーん・・・やっぱりその良さがよく分からん。ま、とにかく目玉の展示品、見ましたよ、確かめましたよ、ハイOK。
 
博物館を出てタクシーで次に向かったのは、タイペイ101。
あれ?雨のせいで登るのを断念したんじゃないのかい?
 
 実は、雨が振ったのは朝のうちだけで、その後止みました。でも、依然としてどんより曇り空のため、展望台に登るのは断念しました。にも関わらず101に向かったのは、昼食を取るため。
 Kくんプロデュース最後のグルメ探訪、それは本場極めつけの小籠包。日本にも進出し、高島屋などにも店舗を出しているという超有名店「鼎泰豊(ディン・タイ・フォン)」。あ、言っておきますが、もちろん私はそんなお店知りませんでしたよ。(え? そんなの言わなくても分かってるって? ああそうかいそうかい、ふんっ。)
 本店はいつも激混みだそうだが、市内にいくつかある支店なら本店ほどではないということで、その支店がある101にやって来たというわけ。
 
 さっそくお店に行ってみると・・・人だかり(笑)。待ち時間の目安が表示されており、「35分」とあって、うろたえた。
「えー!? 35分かあ、参ったなあ・・・。」
 それとなくKくんをチラ見したが、彼は「どんなに待ってでも、絶対ここで食べる」的な揺るがぬ雰囲気。わかりやした。待ちましょう、トホホ。(なんか前日のランチ報告でも同じようなことを書いた気が・・・。)
 
 係に順番待ちを告げると、待ち番号をもらい、同時にメニューとオーダー票を渡された。待っている間に決めておけってか。日本にもそういうシステムがあるが、効率的でよろしい。
 
 Kくんが写真入りのメニューを見て注文する品を選び、私がオーダー票に記入する。Kくんは「ハイこれ、ハイこれ」とホイホイ決めていくが、その品がオーダー票のどれに該当するのか、なんせ中国語だらけなのでこれが難しいわけ。
 
 そうこうしているうちに、35分よりも早く(20分弱くらいだったか)店内に案内された。お店も慣れたもので、まず「正しい小籠包の召し上がり方」なる説明書きを各テーブルに配布する。我々にはもちろん日本語のものを。
 
 お待ちどうさまでした。日本にも進出するくらいの超有名店の小籠包、それがこれだ!
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 刻み生姜と酢醤油でいただく小籠包は、なるほど、確かに美味しい。
 
 注文したシュウマイが出てきた。すると、Kくんがクレーム。「あれ?これはオレが頼んだシュウマイと違うぞ。オーダー票に書き間違えたんじゃないの??ちょっとぉ~。」
 
 わりいわりい。中国語、難しいんだよ。許せ。いいじゃんか、なんだって。どれも美味しいんだから。
 
 こうしてタイペイ二泊三日の観光旅行(シカゴ響付き)は全てのメニューを消化し、つつがなく終了しました。
 
いったんホテルに戻って預けていたバッグを引き取り、松山国際空港へ。
ワクワクしながらここに降り立ったのは、ほんの二日前だった。楽しいことは一瞬で終わってしまうのう。
 
 搭乗時間になり、いよいよ飛行機に乗り込むところで、ゲートで搭乗券をチェックする読取機械が、私のモバイル搭乗券のQRコードをはじき、入場拒否された。
 すかさず係員が確認し、そしてこう告げた。「お客様の飛行機はこちらではありません。こちらはエヴァー航空ですよ。」
 
え?? ここじゃないの?搭乗ゲートを間違えた?そんなばかな。
驚いた。旅慣れたこの俺様がこんな基本的な間違いを犯すのか?
 
顛末はこうだ。
我々の飛行機は全日空便、ただしエヴァー航空との共同運行、午後4時50分発羽田行き、搭乗ゲート8番。
間違えた飛行機はエヴァー航空、ただし全日空との共同運行、午後4時50分発羽田行き、搭乗ゲート9番。
 
紛らわしい!これじゃ間違えるに決まってるだろ!?
でも驚いた。こういうことがあるんだなあ。同じ行き先、同じ時間、ゲートは隣。海外では最後の最後まで油断してはならないという警告だと受け止めよう。
 
Kくん、お世話になりました。おかげで本当に楽しかったですヨ。