クラシック、オペラの粋を極める!

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2012/2/1 フリットリ ソプラノリサイタル

2012年2月1日  バルバラ・フリットリ ソプラノリサイタル   東京オペラシティホール
指揮  カルロ・テナン
マルトゥッチ  歌曲「追憶の歌」
プッチーニ  「修道女アンジェリカ」より間奏曲、「ジャンニ・スキッキ」より‘私のお父さん’、「マノン・レスコー」より‘この柔らかなレースの中で’
チレア  「アドリアーナ・ルクヴルール」より‘哀れな花よ’、‘私は創造の神の卑しい下僕’    他
 
 
 ワタクシとしたことが・・・。
 公演チケットの発売初日。東京のリサイタル2公演のうち、R・シュトラウスの歌曲「4つの最後の歌」がプログラムに入った初日(1月26日)の方のチケットを取る気で、そのつもりで、予定どおり取ったつもりで、フタを開けてみたら、なぜか二日目の方をゲットしていた。
 
えー??なんで??
 勘違いをしたのか、ネット申し込みにおけるクリックミスなのか。(単にボケてただけだろ、というツッコミ歓迎)
 
 まあ、取ってしまったものは仕方がない。マルトゥッチなる作曲家は知らないし、その歌曲などこれまで一度も聞いたことがないが、我らがフリットリ姐さんがチョイスしたプログラムだ。きっと良い曲なのだろう。得意の‘お国物’だし、間違いなど絶対にあるまい。そう信じて、会場に向かった・・の・だ・が・・・。
 やれやれ、マルトゥッチ・・・困ったもんだ。曲のツボがどこにあるのか見当がつかず、捉えどころもなく、抑揚にも乏しく、なんだかよく分からないうちに終わってしまった。途中から、曲の良さを理解しようとするのではなく、フリットリの麗しのボイスを楽しもうと試みたのだが、いかんせんメロディの美しさが見いだせないので、気持ちが乗らなかった。
 
結論。「前半の歌曲はつまらなかった。」   ガクッ。
世界最高の歌姫のリサイタルで、この感想はあり得ないよなー。
 
 休憩を挟み、後半。さあここからは‘マルなんとか’じゃなくて、プッチーニですぜ。そりゃもう作曲家としての格が違いまっせ。期待しましょう。
 
 後半の一曲目。まずオケだけで「修道女アンジェリカ」の間奏曲。わが子の死を知らされたアンジェリカが、やがて子を追って自らも命を絶とうと決心する場面の音楽。
「う・つ・く・し・す・ぎ・る!!」
(私がこのオペラが大好きだということは、御愛読の皆さんはとーぜん御存知でしょ??)
 
 ところで、フリットリはこのアンジェリカ役を持ち役レパートリーに入れていて、メトでもスカラでもオペラの舞台で歌っている。(映像あり) くそー、生で聴きたかったなあ。なんで現地まで馳せ参じなかったかなあ。後悔。
 
 ま、それはいいとして、後半、まず「つかみはオッケー」の後、ドレスをチェンジしたフリットリがステージに再登場。千両役者の本領発揮でプッチーニとチレアの名アリアを大熱唱。会場は俄然熱を帯び、大盛り上がり。最後のチレアのアリアでは大ブラボーとなって、興奮の坩堝状態に。お客さんはみんな幸せそうな顔。フリットリも満面の笑み。いやあ、素晴らしかったぁ!大満足。
 
 あえて欲を言えば、アンコールの「歌に生き恋に生き」は、前回のリサイタルでもアンコール曲だった。ちなみに「私は創造の神の卑しい下僕」も前回のアンコール曲。違うのを聞きたかったな。例えばさ、フリットリの持ち役レパートリーではないけど、アンコール限定でいいから「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」なんか歌ってくれたら、この作品に特別な感情を抱く日本のファンは思わず感涙にむせぶと思うんだけどな。
 
 おっとっと、贅沢は言わないこった。多くのアーティストが来日をためらう中、昨年、そして今年と二年連続で来てくれたフリットリさんにはいくら感謝しても足りない。本当にありがとうございます。
 
(でも、次回のリサイタルでは、是非アンジェリカと蝶々さんをヨロシク!(笑))