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ベルリンのオーケストラ

先日、指揮者の山田和樹氏がベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者兼音楽監督に就任という発表があった。2026-27シーズンからの契約。
へぇー、そうでっか。
まあ、良いニュースでないの。

現首席兼音楽監督はロビン・ティチアーティ。歴代の指揮者には、フリッチャイマゼール、シャイー、アシュケナージ、ナガノ、ソヒエフ、メッツマッハーといった知名度のある顔ぶれがずらりと並ぶ。
日本にも何度か来日していて、私もナガノ指揮、メッツマッハー指揮の公演に足を運んだことがある。最近はご無沙汰だが、山田氏就任となれば早々に来日公演が計画されることだろう。
私自身は、「日本人」ということだけで特段に応援するとか来日公演を楽しみに待つとか、そういうのはないが、意欲的なプログラムを用意してくれるのなら、それはぜひとも駆けつけたいと思う。


ところで、このニュースを耳にして、ふと思ったのが「ベルリンにあるオーケストラ」について。
オーケストラが数多くある都市といえば、ロンドン、そして何と言っても東京が挙げられるが、実は負けず劣らず存在しているのが、ベルリンだ。
「たくさんある」というイメージがあまり沸かないのは、とにかくベルリン・フィルの一強で、あとは団子レース状態の様相だからだろう。

で、数えてみた。8つもある。ロンドンよりも多い。これは室内管や古楽アカデミーを除いてのカウントである。

なんでこんなに多いかというと、これはもう「東西分裂」というドイツの歴史が大きく関わっている。
分断ドイツの影響は首都ベルリンを直撃。壁を挟んで東と西が覇権を競い合い、それぞれにオーケストラが出来上がっていったのである。
1990年にドイツは再び統一となり、これによってベルリンの壁がなくなるが、「じゃあオーケストラもまた一緒になりましょう」となるかといえば、そんな単純な問題ではない、というわけだ。

ややこしいのは、かつて東と西のそれぞれに「ベルリン放送交響楽団」「ベルリン交響楽団」があって、統一により、そのまま名前が残ったものと名称変更があったものが発生。CDなどで古い録音盤に「ベルリン放送響」と書いてあると、「ん? これはどっちだ?」みたいに紛らわしいのである。


それから、オーケストラが多いもう一つの理由として、3つの歌劇場の存在が挙げられる。
言うまでもなく歌劇場の座付オーケストラのことを指しているが、オーケストラ・ピットの中の活動だけということは、決してない。時々ステージに上って、オーケストラ単独コンサートを開催している。
特に、ベルリン州立歌劇場管弦楽団は、単独コンサートの際には「シュターツカペレ・ベルリン」と名称を変え、堂々と活動していることは、誰もが知っているところだ。


ということで、8つのオーケストラを、東西出自の括弧書き注釈付きで挙げてみよう。順不同。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(旧:西ベルリン)
・ベルリン放送交響楽団(旧:東ベルリン)
・ベルリン・ドイツ交響楽団(旧:西ベルリンのベルリン放送交響楽団
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(旧:東ベルリンのベルリン交響楽団
・ベルリン交響楽団(旧:西ベルリン)
シュターツカペレ・ベルリン(旧:東ベルリン)
・ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(旧:西ベルリン)
・コーミッシェ・オーパ管弦楽団(旧:東ベルリン)


ベルリンはオーケストラや歌劇場が沢山あって、外野からすると「カッコいい」「羨ましい」感じがするが、実は歴史に翻弄された一面が垣間見えるとともに、これだけのオーケストラを抱えるベルリン市の重い財政負担という、シビアな実情も存在する。