日本の場合、新紙幣に変わっても、旧紙幣は引き続き使える。さすがに聖徳太子や伊藤博文といったかなり古いお札をお店で出すと、「ちょっとこれは・・・」と難色を示されてしまう可能性はあるが、有効であることに変わりはない。
古い紙幣を新紙幣に両替したい場合、「原則として日本銀行の本支店で対応」ということになっているが、町中にある普通の金融機関でも取り扱ってくれる可能性はある。以前、自宅内で伊藤博文、板垣退助、岩倉具視などかなり古いお札が見つかったことがあって、銀行の窓口に行き、両替ではなく自分の口座への入金をやってみたら、何の問題もなくすんなりと受け付けてくれた。
これが海外の場合だと、新紙幣に変わっても、日本と同様に引き続き使えるとは限らない。
もちろん、切り替わった瞬間に使えなくなるということはないだろうが、「一定期間の経過後、使用不可へと移行」になってしまう国は、おそらくある。
スイスがそうだった。
昨年、保管していたスイス・フランを持って行き、久しぶりにチューリッヒで使おうとしたら、既に新紙幣に変わっていて、お店の窓口で「旧紙幣は使用不可」と断られてしまった。
試しに、切符の自動券売機にも入れてみたが、見事に弾き出されてしまった。日本だと、上記のとおり普通に使えるので、ちょっと驚いた。
仕方がないので、町中にあった銀行に入って両替を試みたら、「ここでは出来ません。スイス国立銀行に行ってください。」と言われ、ちょっとムカついた。なんだよそれ、面倒くせぇなーー。
こういうことが起こるのなら、「いつかまた行く機会があるかも」といって円に再両替せず、外貨のまま保管しておくのは、リスクがあるということになろう。
イギリスのポンドでも、これまでエリザベス女王の肖像が貨幣に使用されていたが、御承知のとおり国王は変わった。これに伴い貨幣デザインも変わる。今のところ「当分の間、併用可」とされているが、いつ「使えません」と言われるか分からない。早めに使い切ってしまうことが得策と言えそうだ。
次に、新紙幣のお話ではなく、通貨の両替と為替レートについて。
円安が恐ろしい勢いで進行。輸出関連の製造業は好調のようだが、原材料費・燃料費の高騰により、輸入企業だけでなく一般家計、我々の懐にも相当のダメージを与えている。
海外旅行を躊躇し、断念する人たちも続出。海外での音楽鑑賞をライフワークにしている私も、例外に及ばず痛手を被っていて、来年以降は回数を減らそうかなーと真剣に検討中の今日このごろである。
だが、私の場合、少なくとも手持ちのユーロ現金に関しては、高騰前に購入したこともあり、現地で現金を使う限りにおいて、それほど痛くない。
東日本大震災前だったので、たぶん15年くらい前だが、「どうせこれからも何回も行くだろうから」と、日本円でおよそ30万円分のユーロを一挙購入した。
で、正確には覚えていないが、1ユーロ140円を切っていたような気がする。
なぜ、この時大量購入したかというと、ずっと円安ユーロ高傾向だったが、この頃、徐々に円高基調に風向きが変わったのである。よし、このタイミングで買っておこうと思い立った。
その後、海外では基本的にカード払いを優先しつつ、カードが使えないお店や現金の方が使い勝手が良い場合にこれを使用。その結果、少しずつ手持ちが減っていって、今、残高が400ユーロになってしまった。当時のレートだと約5万5千円、現在だと約7万円。
お得感を味わえるのも、段々と終りが近づいてきた感じ。
手持ちがまだ残っている間にまた円高方向に戻らないかなあ、なんて淡い望みを抱いているが・・・ま、無理でしょう。