クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

キミは佐々木朗希を見たか!?

友人「今度の日曜日、ヒマ?」
オレ「いや、いつものとおりコンサートが入ってるけど。」
友人「そっか・・。じゃ、仕方ないな。」
オレ「なにさ? 何の誘いよ?」
友人「いやさ、佐々木朗希、観に行きたいなと思ってさ。ロッテ戦。」
オレ「え?? マジ? 行くの?」
友人「じゃ、別のヤツ誘うとするか・・・」
オレ「ちょっ・・ちょっと待った・・・うーーーん・・・行く。」
友人「いいのかよ。コンサートあるんだろ?」
オレ「うーーん、佐々木朗希の方が見てぇ・・・」

こうして、4月17日、私は東京・春・音楽祭の「トゥーランドット」公演をブッ飛ばし、友人と千葉幕張ZOZOマリンスタジアムに駆けつけた。
トゥーランドットはそのうち観られる(来年、二期会あるし)。
だが、前週に完全試合を達成した佐々木朗希を、今、見逃す手はない。(と言いつつ、佐々木朗希の試合だって、観られる機会は今後いくらでもありそうだったが・・)


私は埼玉県人なので、基本、西武ライオンズファンであるが、贔屓のチームを越え、今シーズンは日本球界を代表する3人のエースに注目していた。
オリックスの山本由伸投手、ソフトバンクの千賀投手、そして千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手だ。

この3人の登板日は、今のところ録画も駆使しながら、全試合の中継をチェックしている。
個人的に最も注目していたのは山本由伸。シーズンの開幕投手に指名された彼を見るため、開幕戦のスタジアムに足を運んだ。評判のとおり、圧巻だった。まったく打たれる感じがしない、桁外れのバケモノ投手。山本由こそが日本最高のピッチャー。「超一流」、「絶対的エース」の称号は彼の物となって不動である。

ところがなんと、畏れ多くもその玉座の位を狙おうと名乗りを上げた一人の若武者が現れた。
高校時代から既にその名を轟かせていた逸材。ドラフト4球団の競合の末にロッテが獲得し、大切に育てられ、3年目の今年、ついに天才がベールを脱いだのだ。

160kmを超える速球は、まさに弓から放たれた矢となって風を切る。生で見ると、「ズドーン」というより、「ビュッ」という感じ。その「ビュッ」の音が本当に聴こえてくるかのよう。

まさか二試合続けてパーフェクトに抑えるとは・・・。
満員のお客さんは、牛若丸の快刀乱麻に酔いしれている。声を上げての応援は禁じられているのに、三振のたび「うぉー!」というどよめきがスタジアムにこだまする。

前例のない連続完全試合かと思いきや、8回でまさかの降板。驚いたが、シロウトファンには分からないベンチの事情や方針、本人のコンディション問題などがあったのだろう。

ちょうど雨が降ってきたこともあり、我々は試合を最後まで見届けることなく、球場を後にした。ロッテファンではないし、佐々木のピッチングが見られたのだから、これで十分。その目的は達したわけだが、周りを見ると、決して少なくないロッテファン(レプリカユニを着ている)もゾロゾロと引き揚げていく。
思いは同じだったらしい。
ただ、決定的に違うのは、彼らには「スーパースターを目の当たりにする」のと「愛するチームを応援する」が重なっていること。
これは羨ましいね。

そうそう。そうやってメジャーに行くまでの間、その楽しみを謳歌してください。