クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

頑張れニッポン

私は天邪鬼である。
4年に一度巻き起こる一億総「頑張れニッポン!」ムーブメントが嫌いだ。
海外サッカーでもメジャーリーグでも、チームスポーツなのに勝敗結果なんかどうでもよく、日本人プレーヤー個人の動向だけを追う風潮が嫌いだ。
試合そのものではなく、ただ日本の活躍を見て「いえーい!」と騒いでいる連中が嫌いだ。

WBCもしかり。
待ってましたとばかりに声を合わせて「頑張れニッポン!」コール。
お前ら日ごろプロ野球中継どんだけ見てるんだ? どんだけスタジアムに足運んでるんだ?

などとぶつくさ言わずにはいられないワタクシである。
が・・・。

スマン、つい見てしまいました。
台湾戦。
いやー、すんごかった。思わず手に汗握り、固唾を飲んで見入ってしまった。
知らず知らずのうちに日本を応援していた。9回表の攻撃は「井端~!行け~!」と祈ってしまった。
普段、井端がプレーする中日の試合なんかぜーんぜん見たこともないのにさ(笑)。
まったくもってゴメン。

野球を見てこんなに痺れたのは、いったいいつ以来だろう?最近ちょっと記憶にない。
1988年の近鉄対ロッテ最終戦以来かなあ・・・。
小学生の時見た、伝説の箕島高校星稜高校の延長18回の死闘も痺れたっけなあ。
高校野球を引き合いに出すのも、ちょっとアレだが。)

とにかく感動したことは間違いない。


翌日。
今度はキューバ対台湾の試合を見た。(日本の試合しか興味ない連中とは一緒にしないでくれよな)
あれだけ日本と死闘を演じ、僅差で敗れた台湾は、キューバの強力打線の前に為すすべもなく撃沈した。完膚なきまでに叩きのめされ、ぐうの音も出ない有り様だった。

すると、前日の感動などすっかりどこへやら、またまたシニカルでチョー冷めたいつもの自分に戻ってしまった。

キューバのバッターの「ブーン!」という音が聞こえてきそうな強烈スイング。
当たった瞬間「ピッチャーはガクッ、外野手は一歩も動けず」という弾道でスタンド・インさせる圧倒的パワー。
この豪快さこそが野球の醍醐味ではないか!?
それに比べてなんだ、日本は!?
ここまでホームラン、ゼロ。
なーにがスモール・ベースボールだ。
「パワーが劣ります。仕方がないので、単打をコツコツ打って、1点を取っていくしかありません。」
つまらんのう、つまらんのう・・・。

そうしたらよ。
昨日のオランダ戦ときたもんだ。
やってくれたねー。これでもかというくらいの豪快アーチの連発炸裂。

気がつけば、「うぉーっ!」と叫んでいる自分がそこにいる。
テレビに向かってガッツポーズをしている自分がそこにいる。

再び謝る。まったくもってゴメン。

やめた! もう天邪鬼はやめだ。シニカルを装うのはやめだ。

オレは応援する! こうなったら行け!やってしまえ! 三連覇してしまえ!
恥も外聞もなく、高らかに言わせてもらおうではないか。

「頑張れぇ~、ニッポン!」

(ちょっと恥ずかしい。かなり恥ずかしい(笑))