クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ドイツの歌劇場

調子に乗って、「ベルリンのオーケストラ」、「ドイツの放送オーケストラ」に続く第三弾。「ドイツ三部作」。

「都市の数だけ存在する」とまことしやかに言われるドイツの劇場。自治権・防衛権を有する都市国家から発展してきた歴史的経緯から、現在も各地域、各都市に独自の特色が根付く。
そうした中、劇場は市民生活に欠かせない娯楽と社交の場、かつ芸術文化の発信地として、昔から役割を果たしてきた。多くの劇場が、街のシンボルとして中心部に堂々と建っている。
「ドイツに行けば、どこかで何かやっている」
オペラが目的で海外に出向く私のようなマニアにとって、これほどありがたい国はないのである。


日本でも、多くのドイツの歌劇場がその名を知られている。
だが、日本で一般的に使われ、呼ばれている劇場の名称は、厳密に言えば注意が必要だ。

まず、オペラを定期上演していると、つい「歌劇場」と認めてしまうが、現地での正式名称は歌劇場ではなく、あくまでも「劇場」(Theater)である所が多い。
例えば、来日公演を行ったことがある「シュトゥットガルト歌劇場」も、正しくは「シュトゥットガルト州立劇場」であって、歌劇場ではない。
どちらかというと、中小規模の都市にある劇場がこのパターンが多く、「ニュルンベルク州立劇場」、「カールスルーエ・バーデン州立劇場」、「ブレーメン劇場」などが挙げられる。(他にも多数ある)

言うまでもなく、演劇、バレエ、コンサート、ジャズなど幅広い音楽・舞台芸術を提供する総合シアターであり、オペラはあくまでもそうした提供コンテンツの一つというわけだ。


一方で、正式名称の中にしっかり「オペラ」(Oper)の文字が入っている劇場もある。これなら堂々と「歌劇場」と呼んでいいだろう。
バイエルン州立歌劇場」、「ベルリン州立歌劇場」、「ハンブルク州立歌劇場」、「フランクフルト歌劇場」など。大都市にあり、一流歌劇場として名が通っている所が多い。
「ベルリン・ドイツ・オペラ」、「ライン・ドイツ・オペラ」なんかももちろんそうだが、なぜか「ベルリン・ドイツ歌劇場」、「ライン・ドイツ歌劇場」とは呼ばれない。これまであまり気にしなかったが、よく考えてみると、何だか不思議だね。


さて、もう一つ、ややこしい「国立歌劇場」呼称問題。

ドイツでは、いわゆる連邦共和国が運営するという意味での「国立」の歌劇場あるいは劇場というのは、存在しない。文化芸術政策において地方分権が図られていて、州や市が直接運営しているか、もしくは公益財団法人に出資や助成をしている形式である。
だから、その意味で、「バイエルン国立歌劇場」、「ドレスデン国立歌劇場」、「ベルリン国立歌劇場」というのは、間違いだ。

ところが、その一方で若干やむを得ない部分もある。言葉として、「国立」と解釈出来てしまうからである。
例えば、バイエルン州立歌劇場の正式名称「Bayerische Staatsoper」。
この「Staats」という言葉を翻訳すると、国という意味が含まれてくる。ドイツ語のStaatsは、英語のStateである。

加えて、誰もが知っている「ウィーン国立歌劇場」の存在が、話をややこしくする。
この世界に冠たる歌劇場の運営母体はオーストリア連邦政府だ。だから、ウィーンはまさしく「国立歌劇場」。
で、その名称は、ご存知のとおり「Wiener Staatsoper」。
そう、「Staats」なのである。
だから、「絶対に間違い」というわけでもない。

面倒くせー(笑)。

ただ、私自身は「バイエルン州立歌劇場」と呼ぶ。言葉の問題ではなく、実態がそうだからだ。ベルリン、ハンブルクも同様。


ドレスデン国立歌劇場」も、注意が必要。
正式には「Sächsische Staatsoper」、日本語で「ザクセン州立歌劇場」だが、公式HPを見ると、名称が「Semperoper Dresden」になっている。つまり、劇場側が「ゼンパーオーパー・ドレスデンと呼んでくださいね」と言っているのだ。

ううーーん・・・困りましたねえ・・(笑)。

 

そういえば、どこかの国で「オペラパレスと呼んでちょうだいね」と言っているのに誰も呼ばねぇ、かわいそうな劇場もありますな(笑)。