クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/11/4 シンシナティ響

2009年11月4日 シンシナティ交響楽団  サントリーホール
指揮  パーヴォ・ヤルヴィ
クリスティアン・ツィメルマン(ピアノ)
バーンスタイン  ディヴェルティメント
ガーシュイン  ラプソディ・イン・ブルー
ラフマニノフ  交響曲第2番


 アメリカのオーケストラはどこも皆うまい。コンサートを聴くごとにそのうまさに舌を巻く。
 にもかかわらず、多くのファンがドイツやフランス、ウィーン、アムステルダムチェコなどの欧州のオーケストラを好むのはなぜなのだろう?

 今回のシンシナティ響も、ご多分に漏れずうまい。他のアメリカのオケと同様、技術が高く、ゴージャスサウンドで迫力がある。
 昨日の公演、一曲目のディヴェルティメント、二曲目ガーシュイン、そしてアンコールのキャンディード序曲は大変素晴らしかった。

 メインのラフマニノフ。こちらも実に流麗で輝かしい響きだった。だが、なんか腑に落ちない。
 盛り上がるところはウワッと盛り上がり、音量も増大して聴き手の胸にズンズン迫り来るのだが、ひそやかな部分になると音が縮こまる。しみじみ感がないというか、陰影が足りないというか・・・。

 結局、欧州のオケにあってアメリカのオケに足りない物って、これではないだろうか?

 もちろん、私自身今までアメリカのオケのコンサートで、その華麗なるサウンドに何度も圧倒され、酔いしれたことがあり、一概に否定するものではない。それどころか、そういう華やかな一面を楽しみにしている部分もある。
 また、アメリカの中でもオーケストラによってそれぞれの個性があり、「まったくアメリカはよ」とひとくくりするのもどうなのかな、と思う。

 普段はそういう目くじらを立てることはしないのだが、今回、連日の鑑賞で、リヨンとゲヴァントハウスを聴いた直後だったので、やけにコントラストが浮き彫りになってしまい、気になってしまったというわけです。


 話をツィメルマンに移そう。

 彼が独奏を受け持ったラプソディ・イン・ブルー、実に面白かった!
 どこか真面目であるが、それでいてはじける部分もあった。ピアニズムをとことん深く追求する求道者のイメージだったが、エンタテイナーの一面も見えた。「世界的なピアニストツィメルマンがまさかガーシュインを!」と、その以外性に驚いたが、お見事。改めて彼の引き出しの多さに唸った。