2009年7月29日 PMFオーケストラ 東京公演 サントリーホール
指揮 マイケル・ティルソン・トーマス
ティルソン・トーマス シンフォニックブラスのためのストリート・ソング
マーラー 交響曲第5番
一生懸命まじめに真摯に取り組んだマーラーだ。
私も学生の頃オケで演奏していたから分かるが、若い人たちは、ただ「素晴らしい音楽を作りたい」というその気持ちだけで練習し、本番に向けて取り組むことが出来る。この日も、その意気込みが強く感じられた。
正直言って、演奏中は、弦のボウイングのスピードや管の息のスピードによって音色が変化してしまうことに気付いてしまい、「これがいわゆる『若さ』ってやつなのかなあ?」なんて考えながら聴いていた。
だけど、演奏後、奏者一人一人の「やるだけやった!」という満足感と充足感いっぱいの表情と、パート内の仲間と握手をし抱き合ってお互いの健闘を讃え合う姿を見て、そんなのどうでもよくなってしまった。
多くの観客も、そんな彼らを見て清々しさを覚えたはずだ。そして思う。「いい演奏会だったね」と。
第一トランペットを吹いたお姉さん。観客はあなたの輝かしい音色に釘付けになったよ!(^_^)/~
それにしてもティルソン・トーマスはよく仕立て上げた。
若さの勢い余って音量が大きくなるのはしょうがないだろう。だが、指揮者は常に均整さを保とうとしていた。
その昔、ロンドン交響楽団と録音したマーラー3番で、余分な脂肪が取れた端正かつ明晰さを備えた音楽づくりに驚嘆した。アプローチは5番でも同じだ。そういえば、同交響楽団との来日公演でもマーラー5番をやったっけ。(1989年3月)マーラーには絶対の自信があるんだろうね。
ところで、久しぶりに見たM・T・Tさん、白髪も増えてちょっとふけた。メガネをかけたそのお顔は、なんか「布施明」に似ていた(笑)。