クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ラヴェンナ音楽祭

 ご存じムーティ夫人が総裁を務める国際フェスティバル。その昔はローカル色が強かったが、クリスティーナ夫人の総裁就任によって一気に知名度は上がった。C・クライバーさえも呼んでしまった「Muti」のネームバリューは絶大だ。
 ただ、プログラムを眺めると、オペラやコンサートもあるが、その他にフィルム上映、バレエ、ジャズ、講演会など多種に渡っており、音楽祭というよりは芸術祭であろう。だからスケジュールとプログラムをよーく調べないと、行き当たりばったりでは「見たい(聴きたい)ものがない」ということになるかもしれない。

 ウィーンフィルなど世界的なオーケストラの客演によるコンサートも催されるが、その会場はおよそコンサート専用とは言えない多目的ホール。(会場名「パラッツォ・マウロ・アンドレ」)ホールというよりアリーナ。当然音響は良くない。このアリーナでのコンサートよりは、むしろ町の中心部にあるオペラハウス「アルギエーリ劇場」でのオペラの方が良いかもしれない。今年2008年はヴェルディの椿姫を上演した。たまたま今年は指揮はR・ムーティではなかったが、もちろん過去には何度もムーティ指揮のオペラが上演されている。

 私は今回、既にブログで書いた「ムーティ指揮フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団コンサート」と、もう一つ「教会での古楽アンサンブルコンサート」の2公演を聴いた。

 チケットはインターネットで申し込んだが、余裕で買えた。パラッツォ・マウロ・アンドレは多目的アリーナなので、収容人数は相当に大きい。ムーティのコンサートでさえも売り切れずに当日券が出ていた。

 もう一つの公演、教会での古楽コンサートについて簡単に記す。


2008年7月7日 サン・ヴィターレ教会
メーメルスドルフ指揮 演奏マーラ・プニカ
ファヴェンティーナ(ファエンツァからの写本117)


 中世のイタリアで演奏されていたミサの音楽、聖歌を古楽を用いて再現したコンサート。教会の祭壇が特設ステージ。モザイク様式に囲まれた荘厳な空間で聴くと、まさに中世にトリップした気分になり、時が経つのをしばし忘れた。
 こういう教会コンサートはヨーロッパならではであり、日本でなかなか味わうことが出来ないので、貴重な体験となった。

 余談だが、偶然にも指揮者も含めた演奏一団とは泊まったホテルが同じだった。公演の最中は演奏者たちはまるで神の使徒のように神々しかったが、翌朝、その出演者たちがホテル内の朝食ルームでジーパンにTシャツで朝食をとっている姿を目撃してしまい、思わず笑ってしまった。