クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

自分は絶対、生鑑賞派!

 ネット掲示板などを見ると、CDなどの録音に関する話題がとても多い。そして、フルトヴェングラートスカニーニワルターから、カラヤンバーンスタインチェリビダッケまで、既に亡くなっていてもう二度と聴けない巨匠の、残された録音についての議論が絶えることがない。

 そうした傾向、それを好む方々を否定するつもりはさらさらないが、私に関して言えば、既に天国に召されたいにしえの巨匠にはあまり興味がない。なぜかというと、もう生では聴けない、録音でしか聴くことしかできないからである。

 私が興味があるのは、同じ時代に生き、同じ空気を吸う演奏家がコンサート会場で共有体験させてくれる、一瞬に生まれて一瞬にして消えていく音の神髄だ。フルヴェンやトスカニーニは、きっと当時、素晴らしい音楽を奏でていたのだとろうな、と思う。だけど、自分はそれを生で聴いていないし、これからも聴けない。CDによる録音を聴いて、その気配を感じ取ることはできるけど、それは所詮気配としか思えないのだ。

 例えが悪いかもしれないが、名人料理人の作った食べ物をいったん冷凍保存した後、解凍して再加熱して食べるような気がしてしまうのだ。(まあ、それでも、きっとそれはそれでおいしいのだろうけど)
 でもやっぱり、名人料理人が今作ったばかりのほやほや料理を私は食べたい。きれいなグラビア女優の写真を眺めるよりも、生の女性とお付き合いする方がいい。ということで、私はフルヴェンやトスカニーニより、バレンボイムムーティ生コンサートの体験を尊いと考える。(音楽の中身の軍配という意味ではないが)

 音楽は一期一会だ。コンサート会場で、その一回限りにしか生まれないクレアトール(創造物)を見つけだすことこそ真の探求であり、演奏者のメッセージを受け取る最良の手段だと私は信じている。