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2009/1/10 読響

2009年1月10日 読売日本交響楽団 東京芸術劇場マチネシリーズ
メンデルスゾーン生誕200年記念プログラム
指揮 下野竜也
小野明子(ヴァイオリン)
メンデルスゾーン トランペット序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番イタリア


 新年一発目。今、引っ張りだこの下野さんの指揮。

 数年前、私の友人で、音楽プロデュースも手がけるといういわば業界人が、「日本人の若手で、超有望なのが下野竜也」と語っていた。その時私は、名前は聞いたことがあり、顔も写真でみたことがあるが、実演に接したことのない下野氏についてよく知らず、その友人の話に「へえ~」と単なる相づちだけ返しただけで、話題を終えてしまった。

 今、読響の正指揮者で、その他各オーケストラから客演として引きも切らない活躍を見せる氏を見るに付け、その友人の耳の確かさに改めて唸り、舌巻く。

 まず、バトンテクニックがしっかりとしている。このため表現が自由自在である。手堅い指揮者かと思いきや、時にタクトを振り乱して抑揚させ、盛り上げる術も持っている。秀逸な指揮者なのだと思う。

 それ以上に、人気がある理由は、多分、この人の人柄にあるのではないか。

 いかにも誠実そうでまじめで、何より人が良さそう。音楽の僕(しもべ)に徹しており、作曲家と対話する姿勢を貫いている。演奏者に対しても尊敬の意が表れており、高飛車な態度を取ろうとしない。素晴らしい演奏で応えてくれるオーケストラに対して感謝の念がある。だからオーケストラ側から好まれ、客演が引きも切らないのだろう。

 欲を言えば色気と洒落っ気が欲しいが、年を重ねるに連れて出てくるかもしれない。

 プログラム終了後、会場の聴衆に向かって「明けましておめでとうございます!本年も読響をよろしくお願いします。」と挨拶し、盛大な拍手をもらった。配られたプログラムにも本人の挨拶でこう書いてある。
「今年も、スクロヴァチェフスキ先生率いる読響をよろしくお願い申し上げます。」

自分をよろしくじゃなくてスクロヴァの名前を挙げるなんて、やっぱり人間が良く出来てますね!(笑)