クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008/12/19 ウィーン 神々の黄昏

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2008年12月19日 ウィーン国立歌劇場
ワーグナー 楽劇ニーベルングの指環より 神々の黄昏(新演出)
指揮 フランツ・ウェルザー・メスト
演出 スヴェン・エリック・ベヒトルフ
クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、エヴァ・ヨハンソン(ブリュンヒルデ)、エリック・ハーフヴァーソン(ハーゲン)、ボアス・ダニエル(グンター)、トーマス・コニチュニー(アルベリッヒ)、藤村実穂子(ワルトラウテ)他


 旅行の最終日。ウィーン国立歌劇場の‘ニュー’リング、神々の黄昏。
 本当はラインの黄金から一つずつ見ていって、最終的に黄昏まで全部見たかったのだが、海外での短期旅行ではやはり困難。いきなり最終編を見ることに。

 ウィーンフィルの公演もそうだったけど、この黄昏もチケットがなかなか取れなかった。演目、指揮者、新演出の話題性に加え、この日はアボナメント(定期会員公演)だったので、一般向けのチケットが僅少だったのだ。ウェイティング登録し、ひたすら待ってようやく回ってきたプラチナチケット・・と思ったら、劇場にはやっぱり日本人がた~くさん。

 個人での正攻法で狙うよりも、ツアーやエージェント仲介で取る方が圧倒的に強いのだということをつくづく思い知らされる。もちろん彼らはそれなりの料金を払い、こちらは定価なのだから、文句は言うまい。

 新たに音楽監督に決まったウェルザーメストの人気が凄い。登場しただけで盛大なブラボーが飛ぶ。久々のオーストリア人監督。期待が高まっているのであろう。オケもパワーが炸裂。ウィーンフィルが気合いを入れて演奏するのだから、圧倒的なサウンドだ。音が客席にビンビン飛んでくる。痺れました。

 ウィーン国立歌劇場は劇場内に当日の公演ポスターを貼っていて、当日のキャストを見ることが出来る。突然歌手が落っこちると、そのポスターに赤い札を貼って変更を知らせることになっている。会場入りしてポスターをチラッと見たら、何も貼られていなかったので、予定通りのキャストだと確信し、「よしよし」と思っていたら、第1幕第2場で登場したジークフリート役が予定のステファン・グールドではなく、クリスティアン・フランツだったので、ひっくり返るくらいビックリした。
 第1幕が終わって休憩中にポスターを確認したら、ちゃんとクリスティアン・フランツになっている。ということは急な病気による変更ではなく、予め決められていたのであろうが、だったらしっかり事前に告知せい!とむかついた。グールドのジークフリートが聴きたかったのに・・・。

 それ以外の歌手は変更無し。
 ただ、歌手陣はおしなべて水準は高いものの、やや粒が小さい。
 そんな中で、ワルトラウテの藤村さんの堂々たる歌いっぷりは我々日本人にとって鼻が高かった。誇りを感じた。

 ブリュンヒルデエヴァ・ヨハンソンは、私個人的にはどちらかというと好みではない。パワーはあるが、パワーだけで乗り切っている感じがする。ただし、演技している時の顔の表情がいい。とても凛々しく、ブリュンヒルデという役に合っていた。
 ハーゲン役のハーフヴァーソンは歌も演技も立派、対するグンター役のダニエルは、なんか情けなくひ弱そうな感じだったが、多分これは演出でそのように役作りされているのだと思う。

 その演出だが、一言で言って「普通」(笑)。マニアや音楽ファンだけでなく、観光客も含めて世界中からやってくる劇場として、過激さを抑えて中庸を選択した感じ。別に過激にやる必要など全くないが、世界最高のオペラハウスなんだから、ドスンと新機軸を打ち出して欲しかったなあ。だってさあ、『指環』の‘天下のウィーンでの’プレミエなんだぜ!


 終演後、いつものように日本料理店「優月」に行って、最終日の打ち上げを行った。前回はここでムーティにばったり会ったが、さすがにそういうことは二度はないね(笑)。期待した私がバカでござんした。

 今回の旅行は何のトラブルもなく、順調でよかったでした。おわり。