クラシック、オペラの粋を極める!

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2018/7/29 ミュージカル「エビータ」

2018年7月29日   ミュージカル エビータ   東急シアターオーブ
 
コテコテのクラシック音楽ファンである私ですが、ミュージカル観ます。ミュージカル好きです。
「高尚なクラシックに比べ、ミュージカルは低俗」なんて思っている人、いませんか?
それ多分、偏見だと思いまっせ。
 
と言いつつ、何を隠そう拙者もその昔、そのように見下していた時期があった。当時、観たことも聴いたこともなかったのにね。
 
私の場合、クラシックもミュージカルも両方好きだという友人がたまたまいた。その人が教えてくれたというのが大きい。
ミュージカルを観ない聴かないという人に是非伝えたいが、歌って踊って演じるという意味で、あるいはそれを鑑賞して楽しむという意味でも、実はオペレッタとそれほど変わらない。歌を通じて物語を展開し、つないでいくという意味で、究極とも言えるオペラとも変わらない。原作は、オペラもミュージカルも、結局安っぽい恋物語ばかりだし。
つまり、大きく括ってしまえば、舞台芸術ということで一つなのだ。演劇やバレエも含めたっていい。これらに高尚も低俗もない。
 
エビータはミュージカルの神様A・Lウェーバーのヒット作ということでその名を知っていたが、実際にその全容を知ったのは、1996年にハリウッドで制作された映画である。
マドンナとA・バンデラスが出演したこの映画はすっかり気に入り、当時サウンドトラックCDを買って聴きまくったものだが、最近は久しく聴いておらず、すっかりお蔵入り状態だった。
 
今回久しぶりに音楽を聴いて、馴染んだメロディが瑞々しく蘇ってきたのは、嬉しかった。
クラシックだと、マイナー曲の場合、久しく聴いていないとその旋律を忘れてしまうことが間々ある。
その点ミュージカルの場合、メロディが平易で分かりやすく、聴きやすいので、いつまでも染み付くのである。そういうところも、ミュージカルの魅力の一つだ。
 
今回の来日カンパニーにラミン・カリムルーが参加したというのは、大きい。彼こそはミュージカル界のスター、ミュージカル界のヨナス・カウフマン。容姿オッケー、歌唱力オッケー。存在感抜群で、華がある。男のオレが見ても惚れ惚れしてしまうのである。
 
上演は非常に楽しめたのだが、一つだけ引っかかったことを白状すると、日頃生音生声のオペラや声楽を身近に聴いているため、マイクによる電子増幅音はやっぱりちょっとうるさく感じる。
 
それとも、これをうるさいと感じるのは、単に年のせいなのか(笑)。
なんだかロックやポップスに親しみを持っている若い人たちから「無理なら近寄ってこなくていいんだぜ」と突き放されてしまいそう・・。
 
カリムルーを始めとするミュージカルのトップスター連中は、オーディションという壮絶な選抜競争を勝ち抜いてきたエリート。本格的な声楽指導を受けてきた人も多く、たぶん「オペラを歌え」と言われたら歌えちゃうんだと思う。(もちろん程度の差はあろうけど)
だから、きっとマイクの技術を借りなくても会場内を轟かすことができると思うけどな。
 
でも、あのマイク音を含めた圧倒的な音圧も、ひょっとするとミュージカルの魅力の一つなのかもしれない。伴奏にエレキギターとか入ることも多いしね。