クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2018/6/12 ロシア・ナショナル管

2018年6月12日   ロシア・ナショナル管弦楽団   サントリーホール
合唱  新国立劇場合唱団
木嶋真優(ヴァイオリン)
チャイコフスキー  憂鬱なセレナーデ、イオランタ(コンサート形式上演)
アナスタシア・モスクヴィナ(イオランタ)、イリヤ・セリヴァノフ(ヴォーデモン)、平野和(レネ王)、大西宇宙(ロベール)、ヴィタリー・ユシュマノフ(医師)、山下牧子(マルタ)   他
 
 
この日、フランソワ・グサヴィエ・ロト指揮レ・シエクルのコンサートと重なった。両方とも一度だけの公演。
泣く泣く片方を断念し、「なんでだよー」と嘆いた人も多かっただろう。
もちろん私もその一人だ。出来ることならロトのハルサイを聴きたかった。
 
だが、どうしても二者択一を迫られるのなら、私は迷わずイオランタにする。そう、迷わずに、だ。
理由は簡単。「ハルサイはいつでも聴けるが、イオランタはめったに聴けない」からだ。もちろん「生で」ということでね。
 
私は、イオランタはチャイコフスキー秘蔵の名曲だと思っている。こんなに素晴らしい作品が有名でないなんて、あまり演奏されないなんて、本当に信じられない。知らないお方々、とにかく聴いてみなって。感動するで、ほんま。
実際、この公演の後、ツイッターであちこちから「こんなにいい曲だなんて!」という作品に対する賞賛のつぶやきが溢れた。それらを流し読みしながら、私は「だろ?」「だろ?」とつっこんでいた。
 
何が素晴らしいかというと、お姫様の盲目が愛の力によって治るというハッピーエンドなのだが、音楽が語っているのは、「治って良かったね!」ではなく、「神様が恵んでくれた自然は美しい!」ということであり、「生きるって素晴らしい!」ということなのだ。
もし人生に絶望している人がいたら、ぜひイオランタを聴いてほしいと思う。イオランタを聴いて顔を上げ、希望を見出してほしいと思う。
 
さて、この日の感想だが、正直、時間も忘れて美しい音楽にただただ浸っていたので、演奏に関してはあまり語ることができない。プレトニョフの指揮についても、オーケストラの出来についても。
イオランタを歌ったモスクヴィナの歌唱は本当に美しいと思ったし、日本人歌手も申し分なかった。
今書けるのってせいぜいこの程度の情けない感想だが、とにかく幸福感に満たされた演奏だった。
 
それで十分だよな。