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2017/5/5 横山幸雄ピアノリサイタル

2017年5月5日   横山幸雄ピアノリサイタル(入魂のショパン2017)  東京オペラシティコンサートホール
第二部
2つのポロネーズ、2つのノクターン、24の前奏曲
第三部
即興曲第1番、4つのマズルカ(作品30、33)、スケルツォ第2番、2つのノクターン、3つのワルツ、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」
 
 
途中に休憩(観客の入替え)が入るとはいえ、全部通すと8時間となる長丁場。アンビリーバブルなマラソン公演。私が聴いたのは、第一部から第五部までのうち上記の二部。
 
ショパン作品全曲演奏」 - あまりにも壮大であり、かつ無謀とも言えるチャレンジ。
この規格外の企画を毎年挑み続け、今年でなんと8回目だというのだ。
ほんっっとうにようやるよなあ・・・。
こんなことは絶対に横山さんにしか出来ん。
逆に言えば横山さんだからこそ可能な企画ということなのだろうが。
 
横山さんは、ショパンだけでなく、ベートーヴェン全曲とか、○大コンチェルト全曲とか、毎回こうした「マジかよ」なプログラムを提案して、人々を驚かせる。
冒険家なのだ、この人は。
制覇することの達成感を目指して冒険家はチャレンジをし続ける。踏破したら、終わりにせずに次の目標にまた向かっていく。
 
さて、今回「24の前奏曲」を全部聞いたのは、恥ずかしながら生まれて初めてであった。
ピアニストが選んでも、評論家が選んでも、愛好家が選んでも、「古今東西ピアノの名曲」で常に上位にランクアップされるプレリュード。単品で取り出してもいい曲はあるが、通しで聴くと、作品の構成力、バランスなど、24曲全体としての総合完成度に改めて圧倒された。
 
横山さんのピアノは、長丁場ということもあったのか、単曲をあまり際立たせず、とにかく流れを重視した、長大なレガートのような演奏だった。それはあたかも、展覧会の絵を見ているような、ひとりの画家の作品を時代ごとに一つ一つ眺め、眺め終わったらまたその次の絵に見入る、そんな感覚だった。
ひたすらショパンを巡る旅なのだ。それでいいと思った。十分に味わい深かった。
 
まあとにかく、かける言葉は「お疲れ様」。
演奏するのも大変だと思うが、これに付き合って全部聴き通す聴衆だって相当いたのだろう。
聴く方も挑戦、勝負だ。お疲れ様。