クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2016/7/14 読響

2016年7月14日   読売日本交響楽団   サントリーホール
指揮  コルネリウス・マイスター
ハイドン  交響曲第6番「朝」
マーラー  交響曲第6番「悲劇的」
 
 
次期首席客演指揮者が決まったマイスター。一昨年9月に客演してアルプス交響曲などを振っているが、その時の音楽づくりや相性などがオーケストラ側から評価されたのであろうか。
一曲目のハイドンを聴いただけで、なんとなく分かった。
音色、フレーズ、旋律などの作り方がとても緻密かつ精妙なのだ。
細かく指示を出して作っているのか、それともタクト一本でコントロールしているのか、そこら辺は分からないが、いずれにしても引き出しを沢山持っている指揮者とみた。若いが、意外と職人的(まさに名前のごとく)である。
 
一曲目を聴いて、マーラーの出来上がりを想像するのは難くなかった。アプローチは一緒。作品の特性を把握した上で、細かなアンサンブルの響きを構築させていく手法。なので、大音響であってもバランスが崩れず、ポリフォニック性がキープされる。金管や打楽器が吠えていても木管群が消されずにしっかりと聞こえてくるのは実に素晴らしい。
 
反面、作品全体を象徴する「悲劇性」は、見る影もない。そこは、いわゆる他のマーラー指揮者の鳴らし方と根本から異なり、好みという意味で評価が分かれるかもしれない。
 
私の評価は「面白い」。また一人、これからも注目して追っていきたい指揮者が登場した。