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2015/11/19 hr響

2015年11月19日  hr交響楽団   東京芸術劇場
指揮  アンドレス・オロスコ・エストラーダ
アリス・紗良・オット(ピアノ)
チャイコフスキー  ピアノ協奏曲第1番
 
 
 紗良・オットのコンチェルトが名演だった。
 初めて彼女を聴いたのは、ちょうど10年前。キエフ国立フィルハーモニー来日公演のコンチェルトだったが、その時演奏したのが今回のチャイ・コンだった。当時はまだ無名。見かけはお嬢様風だったが、その見かけによらない豪快な演奏に「へえー!」と驚いたことを覚えている。その後の彼女の人気と活躍ぶりは誰もが知るとおり。
 今回の演奏、10年前を思い出しながら、「いよいよ完成の域に入りつつあるな」と感じた。技術、集中力、作品の解釈、オーケストラとの掛け合い、すべてが堂に入っている。「日本人ハーフの」とか「美人の」とかそんなお飾りなど全く不要の実力派ピアニストにぐんぐんと成長している。素晴らしい。
 
 インバルやP・ヤルヴィとの来日を重ねて来たhr響(旧フランクフルト放送響)だが、今回は新たな首席指揮者オロスコ・エストラーダがタクトを振った。
その彼のブラ1は本当に個性に溢れていた。
いわゆるブラームスらしくない。「渋さ」と無縁なのだ。
別にコロンビア出身だからといって、音楽の中からラテンっぽい熱気や明るさを探していたわけでは決してないのだが、それでも音色は青く、澄み切った空のよう。おそらくクリアなサウンド作りを信条としているのだと思う。こういうブラームスも、あり。
 
 むしろ、指揮者が要求した180度異なる響きを作り出せてしまうオーケストラのフレキシビリティに大いに感心。やはり能力の高い奏者たちである。