旅行二日目。
事前にネット予約していたアイゼナッハ行きの電車がキャンセルになったことは、既に記事に書いた。その電車はデュッセルドルフ始発の直行便で、乗り換えもなく楽チンのはずだった。しかしキャンセルではどうしようもない。
ドイツ鉄道はもちろん無料で代替への変更をしてくれた。その電車はいったんフランクフルトに戻り、乗り換えるというもの。
昨日フランクフルトからやってきて、また再びそこに戻るとは・・・やれやれ、なんてこった。
代替の電車は順調に運行し、定刻の午前10時10分にアイゼナッハ到着。この日の最終目的地はエアフルトという都市なのだが、その前に途中下車。タンホイザーの歌合戦の舞台として有名なヴァルトブルク城を訪れるためだ。
また、ここアイゼナッハはバッハの生まれた街としても有名で、駅名の看板にもそのことが示されている。
市内にはバッハの家、その他の名所もいくつかあるのだが、時間がないので残念ながらパス。ヴァルトブルク城一本に絞った。アイゼナッハには劇場もある。ならば、いつか再度訪れる機会があるかもしれない。その時の楽しみとして、残しておこう。
(もちろん、そうした機会は二度とないかもしれない。だからヴァルトブルク城だけは今回行っておこうという決断。)
小高い山のてっぺんにそびえるヴァルトブルク城。徒歩で登るのは私には無理。駅から市バスが出ているが、一時間に一本だけ。次のバスまではかなりの待ち時間があったので、私は即座にタクシーを選択した。片道12ユーロ。市バスだと1.5ユーロなので比較すると相当な割高感があるが、効率性と時間の節約を考えるとやむを得ない。
築城はなんと12世紀だってさ。マジか。
城内巡りはガイドツアーとフリーの二つからどちらかを選択できる。ただし、歌合戦の間やマルティン・ルターが新約聖書をドイツ語に翻訳した部屋など、要所はガイドツアー(当然ドイツ語)でしか見学できない。となれば、そっちしかないだろう。30人くらいの大所帯ツアーのうち、外国人は、私、それから同じく日本人家族のみ。あとはおそらく全員ドイツ人だったと思う。我々には、日本語の説明パンフレットが提供された。
それぞれの部屋や広間を巡ると、頭の中にタンホイザーのマーチと歌合戦の音楽が鳴り響く。当然でしょ。
「ヴォールフラーム・フォン・エーッシェンバッハ、ベギーンネ(始めよ)」
それにしてもタンホイザーという奴はバカだよな。なにムキになってるのさ。落ち着けって。エリザベートと国王の御前だぜ。心の中ではヴェーヌスを讃えても、上手く取り繕って適当に崇高な歌でも歌っとけば良かったんだよ、まったくよ。
それを言っちゃったら、オペラにならねえか(笑)。
ガイドツアーは約1時間で終了。帰りは市バスを利用して下山。アイゼナッハはこれにて終了。