クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2015/7/4 紀尾井シンフォニエッタ東京

2015年7月4日   紀尾井シンフォニエッタ東京   紀尾井ホール
第100回定期演奏会
指揮  セミョン・ビシュコフ
ライナー・ホーネック(ヴァイオリン)、マキシミリアン・ホルヌンク(チェロ)
ブラームス  ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
 
 
 100回記念に花を添える名指揮者と名奏者が招かれた。ホーネックは指揮者としてこのオケを振ったこともあり、既にお馴染み。更にコンサートマスターは、これまた客演コンマスとして何度となく招かれてきたバイエルン放送響のバラホフスキー。まさに記念公演にふさわしい万全の体制である。
 
 そうした甲斐もあって、充実した演奏が繰り広げられた。
 特にブラームスが見事。味のある名人芸を心ゆくまで堪能することが出来た。この曲で感動したのは久しぶりである。あまり好きな曲ではないのだが、演奏が優れていればやっぱり楽しく聴けるものなのだ。
 メインのベートーヴェンは、今度はビシュコフが手塩にかけたような包容力のある音楽が素晴らしい。バランスが良く、生命力に満ち、指揮者が示す音楽構成が手に取るように分かる明晰な演奏だった。
 
こうしてみると、記念公演は一見大成功だったかのように見える。
だが、しかし・・・。
これで良かったのだろうかと、ふと首を傾げる。
 
 私の印象に刻まれたのは、指揮者の充実した仕事であり、ソリストの円熟味であり、コンマスのリーダーシップであった。
 つまり、手柄が全部、外国人ゲストに持って行かれた感がありありなのだ。
 本当はオーケストラ自身が主役になりたかったのではあるまいか。引立て役はきっと本意じゃないはずだ。
 
 日本のトッププレーヤーたちが集い、ホームグラウンドのホールを持った室内オーケストラとして堅実な道を歩んできた紀尾井シンフォニエッタ。20年前の旗揚げの趣意は「室内オーケストラだからこそ可能な緊密なアンサンブルを自分たちの手で!」という気概そのものだったと思う。
 
まあ、いずれにせよ、創立20年100回目のコンサート、おめでとうござる。
 
外国人ゲストしか印象に残らなかった、なんてヤツに言われたかねえか(笑)。