ヴィースバーデン、ようやく初訪問の機会がやってきた・・。
知らなかったのだが、この劇場はレギュラーシーズンに加えて、フェスティバル開催の時期がある。それがなんと今月。その名を国際5月音楽祭。なんと「インターナショナル」だってさ(笑)。
さて、今年のフェスティバルのラインナップを眺めてみた。これがなかなかの充実度なのだ。
レギュラーシーズンにおけるレパートリー上演でのキャストは、主として劇場の専属歌手が中心。はっきり言ってしまうと、ネームバリュー的にはそれほど魅力的なものではない。
ところがフェスティバル期間中は、同じ演目の中に国際級のスター歌手を招いて再上演する。例えば「ノルマ」には女王グルベローヴァが出演するし、「ローエングリン」にはK・F・フォークトやW・マイヤーらが出演する。今回私が観た「影のない女」にもE・ヘルリツィウスを始めとする豪華キャストが揃った。その他、A・ハルテロス、J・クーラなどの名前も。
建物は外見も立派だし、内部も伝統的で優雅なロココ調の装飾。チューリッヒ歌劇場の雰囲気に似ている。眩いシャンデリア、キラキラに輝く黄金の広間が大変美しい。さすが「バーデン」、金持ちが集う国際保養地だけのことはある。きらびやかということでは、おそらくドイツ国内でも屈指だろう。ゴージャスな雰囲気も併せて楽しみたいオペラファンにとって、穴場的存在ではなかろうか。
お客さんは、フェスティバルということできちんと着飾っている人がいる一方、カジュアル組もいて、程よいバランス。スノッブ感が鼻につくという感じではない。
ちなみにチケット代だが、フェスティバルであってもそれほど高くない。開幕プレミエ公演だった「ねじの回転」、私は3階席ほぼ正面一列目をゲットしたが、観やすい良席なのになんとカテゴリー5で、たったの2500円!安っ!
国際級キャストが出演する演目だともう少し高いが、ザルツなどに比べれば格段にお手頃だ。