クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2015/1/2 バルセロナ

 雪に覆われた国から陽光が降り注ぐ国へ。最高気温が0度の国から18度の国へ。明るさが違う。空気の感触が違う。行き交う人々の表情が違う。チューリッヒから飛行機でおよそ2時間のバルセロナは、まるで別世界だった。
 
 予定どおりの午前10時にホテル到着。私の宿は旧市街のランブラス通りに面し、リセウ歌劇場まで徒歩5分。通りを渡ったすぐ近くに、ガウディ建築で有名なグエル邸がある。ということで、まずはそのグエル邸から観光スタート。
 
 私が初めてバルセロナを訪れたのは、もう15年も前のことだ。その時、建築を専門とする友人Sくんと一緒に、市内にあるガウディ関連施設をほぼすべて回った。このグエル邸も当然行ったはずである。
 
 はず・・・。
 そう、つまり、その時グエル邸を訪れたことを、今思い出せない。おそらくさしたるインパクトを受けなかったということだと思う。今回久しぶりに見学して、果たして当時の記憶が蘇ってくるだろうか。
 
 バルセロナ屈指の観光スポットであり、ユネスコ世界遺産にも登録されているというだけあって、まずチケットを買うために並び、更に邸宅内に入場するために並ぶという大変さ。混雑しないように入場制限を行っている模様。
 約15分待たされてようやく入場したのだが・・・「う~~~ん・・」という感じだ。
 建築に造詣が深くない人間にとっては、ちょっと内装が凝ったお屋敷くらいにしか見えない。(スミマセン) 建築当時は斬新だったかもしれないし、見る人が見ればその見事さ、美しさが理解できるのかもしれないが・・・。
 なるほど、忘れてしまうわけだ、こりゃ(笑)。
(写真はグエル邸の屋上より)
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 お次は、知らない人は誰もいない世界的名所、サグラダ・ファミリア
 バルセロナは今回で4度目だが、サグラダ・ファミリアを訪れたのもグエル邸と同じく、初めての15年前以来である。今もなお建設の真っ最中だが、私の興味は「果たして15年の間にどれくらい進んだか」。ちなみに15年前は、外観は既に立派にそびえ立っていたが、聖堂内はまさに工事現場という感じだった。
 
 事前に調べてみると、バルセロナ観光随一の人気スポットということもあり、入場するには相当の時間並んで待つ必要があるとのこと。一方で、スムーズに入場したいという要望に応える形で、ネット予約による日時指定の前売りシステムがきちんと存在している。
 飛行機の遅延等リスクがあるため、予約するかについては少し迷ったが、予定どおりの到着に賭けて予約を済ませた。結果的に大正解。
 
 現地は、建物の外観を眺めながら写真を撮る人々と、入場を待つ人々で大混雑の人だかり。予約していない人の入場待ちの列は50メートル以上。どれくらい待つのだろう。30分くらいだろうか、それ以上だろうか。
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 聖堂内に入った瞬間、足が止まり、思わず「うわー」と声をあげてしまった。15年前、あちこちに足場が組まれ、工事の真っ最中だった聖堂は、ほぼ完成の域に達していた。ゴシック様式とは明らかに異なるガウディらしい柱の並び、鮮やかなステンドグラス、息を呑むような壮麗な空間・・・。圧倒的な迫力に、ただただ立ちすくむしかなかった。
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15年という歳月に思いを馳せてみる。
何年経っても変わらない佇まいに、時間が止まったかのような悠久の果てしなさを感じることがある。
かと思うと、しばらく見ぬ間に大きな変貌を遂げ、その進化の目覚ましさとスピードをひしひしと感じることがある。
サグラダ・ファミリアの完成は、工期が当初の300年から大幅に短縮され、12年後の2026年になる予定。ちなみに2026年というのはガウディの没後100年なのだそうだ。
 
 昼食を取り、本日最後の観光はエスパーニャ広場とカタルーニャ美術館。ここもまたバルセロナを代表する観光スポットの一つだろう。
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 エスパーニャ広場から望む景観は本当に美しく、それだけでもバルセロナらしさを感じることができるが、ここまで来たらぜひとも美術館を見学したい。世界屈指のロマネスク美術コレクションである。ここの展示は本当に素晴らしい。中世の聖堂からここに移された壁画が、数百年の時空を超えて眼前に迫ってくる。
 
 じっくり見て回っていたら、ホテルに戻ろうと思っていた予定時刻をかなりオーバーしてしまった。それに・・・ヘトヘトに疲れた! ホテルに戻ったら、そのままベッドにバタンキュー。
 張り切って歩き回り過ぎた。それもこれも、訪れる人のテンションを上げてしまう南国の日差しと地中海からの暖かい風のせいだ。
 
 
追記。
この日巡った場所はいずれもバルセロナの名所だが、これらに決してひけをとらないもう一つのバルセロナの代名詞がある。おわかりだろうか。
 
答えは「FCバルセロナ」。
ご存知、世界屈指の強豪フットボールクラブである。土産物店には必ずレプリカユニフォームが飾られ、市内にはスタープレーヤーL・メッシらをキャラクターとする広告で溢れている。中心地カタルーニャ広場の一角には、まるでスーパーマーケットのようなオフィシャルグッズショップが堂々と店を構えている。「バルサ」こそがこの街の誇りであり、象徴。そう実感せずにはいられない。
 残念ながら今回は試合観戦がかなわなかったが、少々片手落ちの気分。まるでウィーンに行ってオペラを観ないかのような物足りなさなのだ。