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2008/11/8 東京文化会館舞台芸術創造プログラム

2008年11月8日 東京文化会館小ホール
東京文化会館舞台芸術創造プログラム「世紀末ウィーンとシェーンベルク
シェーンベルク 浄夜
シェーンベルク 月に憑かれたピエロ
矢部達哉(ヴァイオリン)、鈴木学(ヴィオラ)、幸田浩子(ソプラノ)、相沢吏江子(ピアノ)、村上寿明(指揮)他


 演奏に先立って、3D立体映像(NHKアート制作)によるシェーンベルクとウィーンについての解説があった。ナビゲーター(映像の中の出演者)は東京文化会館音楽監督の指揮者:大友直人。例の3D用メガネを会場で配っていて、それをみんながかけて映像を見る。観客みんなが一斉にへんなメガネをかけている光景を見渡すと、やっぱヘン(笑)。

 さすがNHKの制作だけあって映像はよく出来ていたが、あえて3Dにしなければならない必要性があったのだろうか?その点はあまりよく分からなかった。制作費、けっこうかかっただろうに。

 また、せっかくスクリーンが用意されているのに、あくまでイントロでのシェーンベルクの解説のみだった。プログラムの浄夜といい月に憑かれたピエロといい、ストーリー性があるのだから、演奏同時解説とか字幕にすればより良かったのに、と思った。

それにしても、本当にシェーンベルクって難しい。浄夜はまだ叙情性があって美しいが、‘つきつかピ’の難解さといったらない。

 今回のコンサートに行こうと思ったそもそもの理由は、自宅でCDを何度聴いても理解不能な‘つきつかピ’、コンサートの生で聴いたらひょっとして良さに気が付くかも・・という期待を込めてのものだったが、結果は理解不能のままでした(笑)。そりゃ、歌いと語りの境界ゾーンで作られたいわば実験作品なのだから、難しいのもあたりまえ。当日の観客は招待客とおぼしき方々がかなり見受けられたが、お気の毒様と申し上げたい。

 この日は同じ文化会館の大ホールで、ウィーン国立歌劇場の公演(グルベローヴァのロベルト・デヴェリュー)があった。時間は少しずれたが、大ホールと小ホールでウィーンにちなんだ公演が並んだ。偶然とは思うが、なかなかよく出来たものだと感心した。