クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/12/30 シャンティイ

 パリから北へ約30キロの郊外、シャンティイという町を訪れた。ここはフォンテーヌブローなどと並び、広大な森の中に佇む優雅なお城があることで有名だ。パリ北駅から国鉄で約25分、シャンティイ・グヴィユーという駅で下車する。
 
 駅からお城までは約2キロと、ちょっと遠い。前回に訪れたのはずいぶんと昔だが、その時はてくてくと歩いた。今でも旅行者のバイブルである地球の歩き方には「森の小路を横切って徒歩30分以上」「冬や女性だけの場合などは、タクシーを利用する方がいいだろう。」としか書いていない。
 だが、現代はネットで何でも調べられる情報化社会である。よーく調べれば、お城への直行バスがちゃんと存在していることが分かる。(ただし、本数は少ない。)
 
 今回であるが、バスと電車の時刻スケジュールを予めしっかり調べ、計画を立てておいたにも関わらず、誤ってシャンティイ・グヴィユーの一つ手前の駅で下車してしまうという大失態を犯し、すっかり予定が狂ってしまった。がっくり。
 予定の時刻をかなり過ぎてシャンティイ・グヴィユー駅に降り立ち、仕方がないのでタクシーを利用するかそれとも歩いて行くかを考えていたら、駅の北側にあるバスターミナルにちょうど一台のバスが到着したのが見えた。
「おっ!?」
 そのバスがどこ方面に行くのかまったく不明だったが、とりあえず小走りでバスに向かう。運転手に「シャトー?(お城に行きます?)」と尋ねたところ、「ウィ」との返事。おお、ラッキー!
 
 ただし乗車したのはお城行きの直行バスではなくて、普通の路線バス。お城に近い停留所で降り、そこから歩けというものだった。
 料金を払おうとしたが、運転手は「いらない」と言って受け取らず。タダ。他の地元のお客さんはもちろん支払っている。なぜ?
 実は、お城行きの直行バスが無料であることは事前のリサーチで知っていた。私はどう見ても外国人観光客。そういう人間が「行先はお城」と告げたのであれば、運転手は直行バスに準じた扱いにして料金を受け取らなかった、というのが真相なのだと思う。
(ちなみにお城の最寄りバス停は「馬の博物館Musée Vivant du Cheval」でした。参考までに。)
 
 こうして辿り着いた優雅なシャンティイ城がこちら。美しいですねー。
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 お城の内部は豪華で充実。ルネサンス様式の居室の数々や図書室も見学できるが、何と言ってもフランス屈指の絵画コレクション「コンデ美術館」が有名だ。収集した貴族オーマール公の遺言で、作品は一切門外不出とのことであるため、多くの傑作がここに来なくては見られないのである。
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 所狭しと絵画が壁一面に飾られている様は息を呑むくらい壮観だが、並べ方は結構アバウト。普通なら一つの部屋に同じ年代、同じ国の画家、同じ様式で寄せて構成するのに、平気でイタリア・ルネサンスの隣にオランダバロックが飾られていたりする。まあ、元々は美術館というより個人コレクターの趣味の世界だったわけだから、どう陳列されていようと文句を言う筋合いはないわけであるが。
 
 じっくり城内を見学した後は、広大な庭園をお散歩。さすがに冬のため木々は枯れていたが、芝生は緑が残っていて手入れも行き届いていている。庭園から望むお城もまたそれで趣きがあった。お外は寒かったが、iPodで好きな音楽を聴きながら散策した時間はとても楽しかった。
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 午後2時半にパリに戻り、その後やや遅い昼食を取ってからホテルに帰着。午後8時からのコンサートに備えてホテルで仮眠。