クラシック、オペラの粋を極める!

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2013/10/12 ウィーン・フィル1

2013年10月12日  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会(第1日)   楽友協会大ホール
 
 
 ムジークフェラインで、ウィーン・フィルによるブルックナー交響曲を聴くのは、私の念願だった。
 しかも、せっかくならブルックナーにふさわしい巨匠指揮者のタクトで聴きたい。現存の指揮者の中では、ハイティンクマゼール、そしてブロムシュテットあたりがその資格を持っていると言えようか。
 だとするならば、今回の公演は願ったりかなったり。千載一遇のチャンス。ウィーン・フィルの今年の年間公演概要が発表され、一時期に国立歌劇場の注目公演と併せた鑑賞が可能だと分かった時は、思わず狂喜乱舞、本当に心が踊ったのである。
 
 ウィーン・フィル定期演奏会は1回につき2公演行われる。初日が土曜日の午後3時半から、二日目が日曜日の午前11時から。(年に何回か、これにソワレという夜の公演が加わる) 
 で今回、本当は二日目の日曜公演のみを鑑賞するつもりだった。初日の土曜公演はパスのはずだった。
 だって土曜日は、日本から10時間以上をかけた長旅で午前にウィーンに到着したばかりだよ。しかも夜にはオペラ公演が控えている。いきなりのダブルヘッダーは無謀。翌日に同じ演目を聴くわけだから、無理をする必要などまったくなかったのである。
 
 でもね、結局チケットを買っちゃったわけさ。誘惑に負けちゃったのよ。アタシってそういう人なのよ。みんな知ってるよね。
 
 長旅疲れで睡魔に襲われる危険性があったが、私には「絶対に大丈夫」という確信があった。
 その理由は自分の座席の位置。
「オーケストラ席」と呼ばれるステージ上の演奏者の真後ろに椅子が設置された場所だった。
 観客の視線は常にステージに注がれる。演奏者のすぐ後ろに座っている客がコックリしそうな仕草をしようものなら、当然目立つ。
 更に。以前にもオーケストラ席で聴いたことがあるので状況が分かっているのだが、奏者が目の前なので、ものすごい臨場感なのだ。ウトウトできるわけがないのである。
 
 実際、その迫力たるや凄まじかった。私の目の前はホルン群だった。ホルンをはじめとする金管楽器が高らかに鳴り響くと、ビリビリと振動が伝わった。巨大な音響にこちらの身体が震え、悶絶し、やがて恍惚状態に陥った。
 
 もし、ちゃんとしたバランスで音楽を聴きたい人だったら、耳を塞ぎたくなるような事態かもしれない。だが、私は夢心地だった。楽しかった。そして鳥肌が立ちっぱなしだった。
 だって連中ときたら、めちゃくちゃ上手いんだぜ!
 ウィーン・フィルの生音に囲まれる幸せ。あたかも自分自身がウィーン・フィルの一員。こんな経験は滅多に得られない。儲けものだったのだ。
 
 下の写真は、演奏終了後、楽員が引き上げても拍手が止まず、カーテンコールで呼び出されたブロムシュテット氏。(ちょっと小さくてゴメン) この光景をこの角度で見られたというのもこれまた貴重。
 
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 さて、ブロムシュテットのブル5に関するもう少しマシな感想は、二日目の鑑賞記で書こうと思う。二日目は真っ当な普通の席で聴いたのでね。