2013年4月20日 日本フィルハーモニー交響楽団 横浜みなとみらいホール
指揮 ピエタリ・インキネン
シベリウス 交響曲第4番、第2番
この日、N響とのダブルヘッダーを敢行。最初に行ったN響(ビシュコフ指揮、ヴェルディ:レクイエム)であるが、もちろん公演は楽しめたものの、今振り返って何か書く特筆すべきものがあまり思い浮かんでこない。このため省略。(こういうことになっちゃうケースがよくあるので、なるべくハシゴはしたくないと思っているのだが・・。)
ということで、インキネンと日フィルによるシベリウス・チクルス第二弾である。
私がシベ全チクルスに期待するその訳は、比較的演奏頻度の高い2番や1番以外の交響曲にもスポットを当てつつ、神秘的とも言われるシベリウスの音楽の全容に迫る絶好の機会だから。
そして、その鍵を握っているのがこの日の交響曲4番である。
とにかく滅多にプログラムに乗っからない。
なかなか演奏されないのは理由がある。はっきり言ってとっつきにくく、ポピュラーではないのだ。この曲、かなり難しいと思う。重苦しく、閉ざされた世界。
だが、もしこの曲を理解出来れば、閉ざされた扉を開けることが出来れば、シベリウスがグッと近づくような気がしてならないのだ。だから私は期待する。
さすがフィンランド人指揮者だ。インキネンの淀みのない明晰なタクトを見ていると、「むむ、コヤツ分かっているな!」と思う。シベリウスの作風を。シベリウスの景色を。
だが、指揮者の頭の中では解明されているのに、どういうわけかこちらに伝わってこない。
なぜだ?
オーケストラが完全に消化できていないからではないか!?
トゥッティ(全奏)だと良い音がする。だが、ソロやパートのみの演奏になった時、途端に自信なさ気に下を向いたような音になる。
やっぱりこの曲、難しいんだと思う。
ああ、早くこの曲を理解し、そしてシベリウスを理解したい。だが、まだまだ時間はかかりそうだ。
後半の第2番。
一転して、馴染みのある曲。思わずホッとする。
オーケストラ奏者もいつの間にか自信回復。回りのお客さんも「待ってました!」
まっ、今回はこれで良しとするか(笑)。