街の中心部のフルーン広場からトラムに乗って向かうのが手っ取り早く、しばらく停留所で待っていたが、一向にトラムがやってこない。それもそのはずで、大掛かりな道路工事が行われていて、運行が全面ストップになっていた。
ちょっと遠いが、歩けない距離ではないので、徒歩で向かう。約20分、テクテク歩いてようやく辿り着いたと思ったら・・・館内改築中のため閉館だって・・・。
・・・・。
しばし呆然と立ち尽くした。
気を取り直して、来た道を引き返す。「こういうことはよくある。これまでだって何度もあった。散歩だと思え。それでいいじゃんか。」自らに言い聞かせるが、往復40分も歩くのは結構キツイんだよねー。
代わりというわけではないが、プランタン・モレトゥス博物館、その後、肉屋のギルドハウスを訪れた。
プランタン・モレトゥスは、世界遺産に選ばれている博物館である。ガイドブックには活版印刷の博物館と紹介されていて、そのとおり工房に当時の印刷機械や工具などが展示されているのだが、印刷技術にこれっぽちも興味がない人間にとっては、むしろ貴族屋敷のような部屋を巡り、家具や調度品などをゆっくり見学するのがいい。
また、肉屋のギルドハウスも、当時の精肉加工機械なども展示されているが、メインとなっているのはなぜか古楽器の数々で、完全に楽器博物館の趣きである。無料で貸与してくれるオーディオ・ガイドで、それらの楽器の演奏や音色を聞くことが出来るのは良いサービスだ。
以上でアントワープの観光は終了。
ところが、これが大失敗!
たまたま入った店がハズレだっただけだと思うのだが、店員のやる気がなくサービス精神のかけらもない怠惰な接客マナーに怒りが沸いた。客がテーブルについてもメニューを出さず、私用の携帯電話で延々とペチャクチャ喋ってやがる。日本だったら、こいつは即刻クビだろう。
おまけに、これは店員の態度とは関係ないが、食事と一緒に注文したビールが小さなコップで出てきて、泣けてきた。いったい何が悲しくてコップでビールをちびちび飲まなければならないのか。
これは一刻も早くブリュッセルに行って、そこでベルギー・ビールをがぶ飲みしなければ!
食事をとっとと済ませ、電車でブリュッセルに向かった。
午後2時半ブリュッセル南駅到着。翌日のアムステルダム行きの電車の切符購入を済ませ、ホテルにチェックインしたのは午後3時。午前中を前日に引き続いてアントワープ観光に充てたことで、ブリュッセルで観光する時間がほとんど無いのは承知の上だった。この街は何度も訪れ、ひと通り回っているので、別に悔いはない。
それでも代表的な観光ポイントである「グラン・プラス」と「しょんべん小僧」に足を運んだのは、単にこのブログ記事に掲載させる写真を撮るため。
しょんべん小僧ははっきり言ってどうでもいいが、グラン・プラスは何度訪れても感動する。「ヨーロッパ一美しい広場」の看板に偽りなしだ。
やるべきことをやったところで、地球の歩き方にも載っているブラッスリー「ファルスタッフ」に行った。もちろん他にも美味しいビールが飲めるブラッスリーがあると思うが、つい店の名前に惹かれて何度も来てしまう。アール・ヌーヴォー調の店内の席に腰を下ろし、さっそく黒ビールを注文!
うまいっっ! が、適当に注文したら、こりゃドイツでもよく飲んでいるヴァイツェンビールのドゥンケル風だったなあ。もう少し研究しておけば、人気の地ビールを選ぶことが出来たかもしれないが・・。まあ次回の課題としておこう。
午後5時前にホテルに戻る。8時からのオペラに備えて1時間ほど仮眠。