クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2012/12/18 ウィーン1

 冬のヨーロッパ。行ったことがある方は経験として御理解いただけるだろう。寒いのは当たり前として、とにかく暗くて物寂しい。雲が分厚く覆い被さり、お日様が地上に届かないのだ。昼間なのに夕方のような暗さ。
 空路だと、雲の厚さが実感できる。飛行機が徐々に高度を下ろし、着陸態勢に入っても、窓の外はずっと雲の中。地上の景色が全く見えない。ようやく視界がクリアになったと思ったら、そこはもう滑走路だった。
 
 観光旅行にとって、天気はことのほか重要だ。
 ウィーンに向かう機内の私の席の周辺は、中高年のツアー客で占められていた。隣のご夫婦は、フライトの間、旅行会社のパンフレットやガイドブックに載っている美しい景観写真(夏の時期にプロが撮影した、光を浴びて輝いているもっとも美しいショットの数々)をパラパラとめくって眺めていた。やれやれ、これからオフシーズンの現実を嫌でも思い知ることになろう。もっとも、ツアーのメニューには、この時期ならではのクリスマス市やイルミネーションが含まれるだろうから、せめてもの救いになるかもしれない。
 
 冷たい雨がぱらつく澱んだ天気。旅行初日だというのに、気分が全く盛り上がらず、憂鬱になってくる。観光しようという気が起こらない。もっとも、仮に天気が良かったとしても、取り立てて行きたい所があったわけでもなかったが・・・。
 
 習慣で、目的地に到着したら、まずは劇場に行き、その日の上演を確認する。公演ポスターに目をやり、予定どおりの指揮者であるか、歌手が変更になっていないか、チェックする。
 チェックしたら、もうこの日は終わり。ビールを飲み、メシを食い、しばし佇み、早々にホテルに引き上げ、夜に備えて仮眠。
 
 結局この日は一枚も写真を撮らなかった。仕方ないから、昨年12月、たまたま天気が良かったこの時に撮った国立歌劇場の写真を載っけておこう。何の慰みにもならんが。
 
イメージ 1