クラシック、オペラの粋を極める!

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2012/11/10 N響A定期

2012年11月10日  NHK交響楽団定期演奏会   NHKホール
指揮  エド・デ・ワールト
堀正文(ヴァイオリン)、エヴァ・マリア・ウェストブルック(ソプラノ=ジークリンデ)、フランク・ファン・アーケンテノールジークムント)、エリック・ハーフヴァーソン(バス=フンディング)
武満徹  遠い呼び声の彼方へ! ノスタルジアアンドレイ・タルコフスキーの追憶に
ワーグナー  ワルキューレ第一幕(コンサート形式上演)
 
 
 エヴァ・マリア・ウェストブルックが、日本に、そしてN響に帰ってきた!
 2003年6月、N響定期演奏会でR・シュトラウスのオペラ「エレクトラ」をコンサート形式で上演した。この演奏会は、当時音楽監督だったC・デュトワの任期満了による監督としてのラスト公演で、N響史に残る記念碑的名演の一つとして語り継がれている。
 この時、クリソテミス役を当初予定のフランソワーズ・ポレに替わって急遽代役出演したのが、ウェストブルックだった。国際的にはまだまだ無名で、日本に初お目見えしたはいいが、ほとんど誰も知らなかったのではないかと思う。(シュトゥットガルト州立歌劇場の専属歌手で、DVDにもなった同歌劇場によるリング4部作のワルキューレでは、「8人のワルキューレたちの一人(ゲルヒルデ)」としてチョイ出演している。)
 
 あれから9年。
 今や彼女は、名実ともに国際トップ級のソプラノ歌手である。世界の超一流歌劇場のラインナップに欠かせないほどの大歌手にまで成長した。
 特にジークリンデは、バイロイト、コヴェントガーデン、パリ、メトなどで歌っていて、ひょっとして今現在なら世界最高のジークリンデかもしれない。(数年前なら、マイヤーの独壇場だっただろうけど。)
 
 その当たり役ジークリンデを引っ提げての凱旋来日公演だ。海外のあちこちで彼女が出演するオペラを観てすっかりファンになっている私としては、駆けつけないわけにはいかない。
 
 そして、案の定というか当然というべきか、素晴らしいジークリンデを聞かせてくれた。
 歌が素晴らしいのは言わずもがなだが、とにかく表情がいい。美しいのだ。
 いや、別に、美人であることを鼻の下を延ばしながら褒めてるんじゃなくてさ、要するに歌っている姿が女優のように神々しく光り輝いているわけですよ。コンサート形式上演であるのに、あたかもオペラの舞台のように完全に役に入り込んでいる。観客のほとんどは彼女に釘付けだったのではないだろうか。それくらいの迫力であり、存在感だった。
 
 相方のファン・アーケンはちょっと調子が悪かった? まあ、でも、仮に調子が良かったとしてもあれくらいかな?(笑)。
 ところで、自分もそれなりの歌手であることは間違いないんだけど、いかんせん奥さんがそれを上回るくらいの世界的な歌手になっちゃってる際の夫の気分ってどんな感じ?? よろしかったらこっそり教えてください、ファン・アーケンさん。あ、あとデ・カロリスさんも(笑)。
 
 ・・えーー・・すみません、話を戻して・・・N響、お見事だった。実に本格的なワーグナーであった。N響は、東京・春・音楽祭のワーグナーでも、かなりいい演奏を聞かせる。実はオペラに適正ありか?ワーグナーが得意か?もちろん、それを引き出した指揮者エド・デ・ワールトの手腕を褒めるべきだろう。
 
 
 ところで、この日のプログラム、前半って何かありましたっけ??(笑)
 
 ひろとさん、どうもありがとうございました。短い時間でしたが、お話できたことを嬉しく思っています。